個人的注目選手はセキ・ユウティンと脇元華
今週末の「ダイキンオーキッドレディス」でついに2021年国内女子ツアーが開幕となります。4日間競技で、沖縄特有の風やグリーンへの対応力が求められますから、初戦からとても見応えのある試合になりそうですね。賞金総額は1億2000万円、優勝賞金2160万円と高額ですから、賞金ランクやシード権などの争いにも大きな影響を与えるでしょう。
まず注目選手として外せないのは、昨年までの賞金ランクでトップ10入りを果たした選手たち。上から順に挙げていくと、笹生優花、古江彩佳、原英莉花、小祝さくら、渡邉彩香、永峰咲希、西村優菜、申ジエ、鈴木愛、ペ・ソンウです。
昨年は全14戦と例年より試合数が大幅に減少していましたが、そんな少ないチャンスの中で確実に結果を出した10選手ですから、2021年でも引き続き注目していきたいところですね。
さて、私が個人的に注目している選手を挙げるとしたら、セキ・ユウティンと脇元華の2選手になります。
ユウティン選手は2019年のプロテストに合格し、2020~2021シーズンはQTランク9位の資格で出場。現在賞金ランク50位に位置する選手です。
ユウティン選手の魅力は、なんと言っても勝負強さ。昨年12月に開催された2019年プロテスト合格者のみが出場できた「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」での、上がり4連続バーディによる逆転優勝が印象に残っています。攻めるべき場面できっちり攻めて勝ち切れる選手に成長しています。ツアーでもそのときのような勝負強さを見せてくれるのではないかと期待しています。
もう一人の脇元華選手は、現在賞金ランク78位。2020-21シーズンのシード権を持っている選手です。
私が脇元選手に注目するきっかけとなったのが昨年10月の「樋口久子 三菱電機レディス」初日。同伴競技者だった松田鈴英選手をティショットで10~15ヤード置いていく場面が幾度かあったんですよね。
松田選手は2019年の平均飛距離が253.41ヤードで3位と、ツアー屈指の飛ばし屋。脇元選手が飛ばすプレーヤーというイメージはそれまでなくて、実際2019年は平均231.42ヤードで78位でした。なので都合2~30ヤードと大幅な飛距離アップを果たしているんです。
オフの期間を経てその飛距離はどうなっているのか。そして、どんなゴルフを見せてくれるのか、期待しています。
契約フリー→本間ゴルフと契約の成田美寿々と葭葉ルミの2名はどうなる?
開幕戦ではオフにどれだけ成長したのかも見ていきたいですが、もう一点、2021年のニュークラブへのスイッチ状況も気になるところ。
たとえば河本結選手は自身のSNSで「エピックマックス」ドライバーの9度を投入することを発表しています。原英莉花選手は昨年のツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」でミズノ「ST200X」ドライバーを投入し見事優勝を決めましたが、新たに発表された兄弟モデル「ST-X」、「ST-Z」へのスイッチはあるのかも注目ですね。
クラブの変化という面でとくに注目しているのは成田美寿々、葭葉ルミの両選手。2名とも昨年までは契約フリーでツアーを戦っていましたが、今年に入って本間ゴルフとの契約が発表されています。
長年契約フリーだった選手がクラブを好きに選ぶ自由を失ってまでも契約するというのは、かなり大きい変化です。それだけ本間ゴルフのクラブとの相性が良いというわけですし、もちろんデータ面でも良い結果が出ていることでしょう。
どのモデルを使用するかは蓋を開けてみないとわかりませんが、成田選手に関しては自身のSNSで最新モデル「ツアーワールドGS」ドライバーのスウィング動画を公開していて、好感触な様子。開幕へ向けてテストを繰り返しているようですね。新たなクラブで戦う2名の活躍にも注目していきたいところです。
クラブの変化も含め、約3か月のオフの間にどれだけ成長できていて、開幕に向けての調整ができていたのかが試される2021年初戦。良いスタートダッシュを切れるのはどの選手なのか、まずは明日のプレーに要注目です。