タイトリストから昨年発売された「TSi」シリーズに「TSi1」と「TSi4」が追加され、既存の「TSi2」「TSi3」とともにラインナップが出揃った。ではその最新モデルの性能は? プロゴルファー・中村修が試打!

「TSi1」は271グラムと軽量モデル

昨年発売された「TSi2」と「TSi3」は、2018年に発売された前作「TS」シリーズからフェース素材や形状を大幅に変えたことで初速をアップさせ、飛距離性能と打感、コントロール性を進化させて来ました。

慣性モーメントが大きくオートマチックに打てる「TSi2」と打感の良さとコントロール性の「TSi3」はPGAツアーでも使用率が高く、結果も出ています。そこに軽量モデルの「TSi1」とコンパクトでロースピンモデルの「TSi4」が追加されました。

画像: タイトリスト「TSi」シリーズに「TSi1」(左)と「TSi 4」が追加ラインナップされた

タイトリスト「TSi」シリーズに「TSi1」(左)と「TSi 4」が追加ラインナップされた

「TSi1」は271グラム(45.75インチ フレックスSR)という軽量モデルです。ゼクシオイレブンが280グラムですから、その軽さがわかると思います。

さて、構えてみるとフックフェースというわけではないのにもかかわらず、ボールをつかまえてくれる安心感があります。

画像: 「TSi1」。ロフトは10度、TSP013 45シャフトのSフレックスを使って計測した

「TSi1」。ロフトは10度、TSP013 45シャフトのSフレックスを使って計測した

実際に打ってみると、軽く振ってもヘッドスピードが上がりやすくシャフトがしっかりと仕事をしてくれます。シャキッとした弾き感を持ちながらも柔らかさを感じる打感は万人に受け入れやすい感触です。

試打会場となったリンクス新川崎のレンジボールを使ってトラックマンのNモードをオン(コースボール使用と無風に変換するモード)で計測した数値が画像Aです。打出し角14.2度、スピン量3076rpmと球が上がりやすく、ヘッドスピード42.1m/sに対して初速61.9m/sとまずまず良好な数値です。

クラブとしての性格は、スピン量がやや多めで球が上がりやすく、ヘッドもシャフトもやさしくボールをつかまえてくれるといったところでしょうか。

画像: 画像A 打出し角14.2度スピン量3076rpmと球が上がりやすく、スピン量も適度に持たせた「TSi1」(レンジボールを使ってトラックマンのNモードで計測したデータ)

画像A 打出し角14.2度スピン量3076rpmと球が上がりやすく、スピン量も適度に持たせた「TSi1」(レンジボールを使ってトラックマンのNモードで計測したデータ)

また、ハードな印象はまったくないので幅広いゴルファーが受け入れやすいモデルだと思います。今回ラインナップされた「TSi1」シリーズのFWやUTも軽量で球の上がりやすさ、つかまりやすさ、シャフトのしなり感などドライバーと同じフィーリングで打てました。

それに対して「TSi4」は「TSi1」とは対極に位置するようなコンセプトです。ヘッドサイズは430CCと小ぶりな洋ナシ型、重心が浅くスピン量が少ないカスタム専用モデルです。見た目からしてディープフェースで、風に負けない強い弾道で飛びそうな印象です。

画像: 「TSi4」は430CCと小ぶりな洋ナシ型。中弾道でスピン量が少ないモデル

「TSi4」は430CCと小ぶりな洋ナシ型。中弾道でスピン量が少ないモデル

「TSi3」との違いはヘッドサイズが小ぶりなところ、スピン量が2、300rpm少ないところ。ツアーADのDI-6Sが装着された10度のヘッドで試打しましたが、中弾道で明らかにスピン量の少ない弾道で飛んでいきます。打感はボールのつぶれ方まで手に伝わるような柔らかくもフィードバックのある感触です。

TSi4の試打結果が、画像B。打出し角12.7度、スピン量2142rpm、ボール初速67m/sと良好な数値が並びます。重心位置が浅くなるとスピン量を減らすことはできる反面、スウィートエリアが狭くなったりボールが上がりにくくなることがありますが、TSi4の場合芯を多少外れても大きな距離の落ち込みも打感の違和感も感じられませんでした。スピン量を減らしたくてミート率が高いゴルファーにはハマりそうです。

選ぶシャフトで大きく変わると思いますが、試打したDI-6Sの10度ならトラックマンの数値でヘッドスピード45m/sは欲しいですね。

画像: 画像B 打出し角12.7度スピン量2142rpmと中弾道でスピン量も少ない「TSi4」(レンジボールを使ってトラックマンのNモードで計測したデータ)

画像B 打出し角12.7度スピン量2142rpmと中弾道でスピン量も少ない「TSi4」(レンジボールを使ってトラックマンのNモードで計測したデータ)

「TSi」のシリーズが4タイプのヘッドでラインナップされたことにより、それぞれのヘッドの性格が細分化されました。すべてのヘッドで打感も形状も、スピン量や打出し角も異なります。

テーラーメイドSIM2は3タイプ、キャロウェイのエピックも3タイプのヘッドがラインナップされていますが、可変式のウェートで調整するのではなく、それぞれに個性を持たせたヘッドを3タイプ以上ラインナップすることで、自分のスウィングタイプやヘッドスピードなどによって最適な一本を選べるようなトレンドを感じます。

4種類から選べるタイトリストのTSiシリーズ。自分にピッタリ合うのはどれか? 探してみるのも面白いと思います。

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