2014年には4つのメジャーすべてでトップ5入り。うち全米オープンと全英オープンで準優勝しているファウラー。ツアー5勝は人気の割にやや物足りない気もするがこれまでメジャーでは11回のトップ10入りを記録し、パトリック・リードが勝った2018年のマスターズでは惜しくも1打差の2位。華やかな大会ほどファウラーは映えるプレーヤーなのだ。
ところが2019年のウェイストマネジメントフェニックスオープンで優勝して以来勝ち星に見放され、その当時の世界ランク8位からこの2年で65位まで急降下。2020年から2021年にかけて出場した25試合で予選落ち10試合と“らしからぬ”プレーが続いている。
現在開催されているアーノルド・パーマー招待でインタビューに応えたファウラーは不振に陥っている現状についてこう語っている。
「これがゴルフ。浮き沈みはつきもの。特にこのレベルの競技に身を置けば調子が良いときにアドバンテージを生かさなければならない。誰だって調子を落とすときがくるし、それにどうやって対処するかが問題。思ったより(不調が)長引いているけれどジェネシス招待の最終日にいいプレーができて少し上向いているのを感じた」
しかし現時点でファウラーにマスターズの出場権はない。デビュー翌年から11年連続で出場しトップ10に3回入っている大会に出場するためには、これらから4月第1週のバレロテキサスオープンまでのどこかで優勝する、あるいは3月中に世界ランクトップ50に返り咲く、そのどちらかしか道はない。
「世界ランク50位圏外にいることは知っている。でもいちいち順位をチェックすることは止めたんだ。自分がやるべきことは試合に出てゴルフをすること。トップ50に返り咲くのはあくまでも短期的なゴール。そこからギアを上げていくつもりだ」とした上で不調の原因は「メンタル的なこと」と言及した。
「これだけ長く不振が続くとフラストレーションがものすごい。自分は世界で一番良い夫でいたいと思っていて、ゴルフは家庭に持ち込まない主義だけれど、家にいてもやはりトレーニングをしてセラビーを受けてゴルフをしてしまう。妻には申し訳ないと思っている」
タイガーのいないオーガスタ。せめてファウラーだけでもそこにいて欲しい。