昨年は新型コロナウイルスの影響で開催が見送られ、「ダイキンオーキッド」は2年ぶりの開催となりました。ギャラリーの入場が1日1000人という制限はあるものの解禁されました。中継を見ていても私たちにとっても拍手やどよめきが聞こえることで臨場感を感じられます。もちろん選手たちはより身近にそれを感じているはずです。
さて、そんな2021年初戦、初日8アンダーとロケットスタートを決めたのは19歳の西郷真央選手。5アンダーに宮里美香選手や新垣比奈選手の沖縄勢を含めた6名。風速7.5メートルの沖縄の風が吹く中で好スコアが並びました。
首位の西郷選手は初日を終えての会見で、昨年の最終戦「リコーカップ」後、初優勝に向けて「足りなかったものをしっかりと考えるように」という師匠・ジャンボ尾崎さんからの言葉を胸に、グリーン周りのアプローチと飛距離アップに重点を置き、オフを過ごしたと話しました。初日、グリーンを外した5つのホールですべてパーだったのは、このオフの特訓の成果が出ているのでしょう。
そして、今日2日目もスコアを2つ伸ばしトータル10アンダーとして首位を守り、改めてオフの調整が上手くいったことを証明しています。初日が良すぎると2日目は難しいものですが、非常に落ち着いているように見え、首位をキープしたのは見事です。6つスコア伸ばした森田遥が首位タイに割って入り復活を感じさせます。
1打差の2位には昨年の日本女子プロゴルフ選手権で2位と躍進した田辺ひかり選手が入りました。教わっている佐伯三貴プロのもとでしっかりと実力を身につけてきているようですね。
3打差の4位に菊池絵里香選手、青木翔コーチの元を卒業した渋野日向子選手はスコアを5つ伸ばし、新垣比奈、上田桃子選手らとともに6アンダー5位タイグループに上がって来ました。
このなかで調子が良さそうに見えたのは新垣比菜選手。実は新垣選手、今年からクラブ契約フリーとなっています。プロ野球でもトレードで他球団に移籍した後に成績が良くなるケースがありますが、環境を変えたことがいい方向に作用したのかもしれません。
環境を変えたということでいえば渋野選手。46、51、54、57度とウェッジを4本いれ、それぞれ105、95、85、75と10ヤード刻みの距離をフルショットで打ち分けているそうです。石川遼選手からのアドバイスで取り入れたそうですが、今日4つあるパー5すべでバーディがとれているのは、中途半端な距離を残さず、4本のウェッジのフルショットを残すマネジメントが功を奏したこともあるようです。番手が増えたことでアプローチが増加したこともプラスに作用しています。
実はパー5でのバーディ率は渋野選手の課題の部分。そこが改善されたことで、明日以降さらなる爆発があるかもしれません。
今大会は予選カットラインが例年の50位タイから60位タイまでに引き下げられたことで1オーバー45位タイまでの62名が予選を通過しました。
ギリギリ通過の1オーバーには鈴木愛、西村優菜、古江彩佳、渡邉彩香選手ら昨年ツアーを盛り上げた選手たちが名を連ねます。2オーバーで惜しくも予選落ちした目下賞金ランク1位の笹生優花選手をはじめ、松田玲英、葭葉ルミ、安田祐香、成田美寿々選手といった実力者たちも予選通過なりませんでした。次戦以降に上位で戦う姿を見せて欲しいところです。
2021年の女子ツアーはいよいよ明日から最初の週末を迎えます。日曜日の午後、最高の笑顔を見せてくれるのは誰か、楽しみに見守りたいと思います。