2021年の国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオ―キッドレディスゴルフトーナメント」を5アンダー13位タイで終えた渋野日向子。2020年末をもってコーチ・青木翔の元を卒業し、石川遼のアドバイスを受けながら作り上げたニュースウィングをプロゴルファー・中村修が解説した。

開幕戦を見て驚いたことのひとつに渋野日向子選手のスウィングがあります。テレビを見て、ずいぶん変わったなと思われた方も多かったことでしょう。

昨年、米女子ツアーを目指して取り組んだことが思うようにいかず、苦しいシーズンを過ごしていた渋野選手でしたが、年末の全米女子オープンでは3日目まで首位に立ち、最終的に4位で終える成績を残し復調を印象づけました。

それから3か月、開幕戦で見た渋野選手のトップの位置は誰の目で見てもわかるほど大きく変わっていました。画像Aを見るとフラットなトップでシャフトの向きも飛球線よりも左を向いていることがわかります。

画像: 画像A 左はトップをフラットした2021年のダイキンオーキッドレディス、右は2020年の三菱電機レディス(写真/姉崎正)

画像A 左はトップをフラットした2021年のダイキンオーキッドレディス、右は2020年の三菱電機レディス(写真/姉崎正)

トップをフラットにし、シャフトの向きを左に向けると、ボールに対してより低い位置からクラブが入るようになります。フェースの開閉が大きいタイプではもともとないので、主なメリットは入射角を浅くすること。それによりスピン量が安定し、縦の距離が合わせやすくなります。また、切り返しの早い段階でクラブがスウィングプレーンに乗ることでクラブの動きが安定し、出球の高さや方向性もそろうことが挙げられます。

渋野選手によれば、左に引っかかるミスが気になっていたようです。それを改善するのが大きな目的だったと言います。アップライトなスウィングはフェースが左を向きやすいのは事実。それを、フラットに振ることで防ごうという意図だと思います。

もちろんノーミスではなかったたようですが、オープンスタンスで軽く右に打ち出してターゲットラインに戻ってくるような安定したドライバーショットを打っていました。スタッツを見ると4日間トータルのフェアウェイキープ率は73.2%。パーオン率は69.4%といい数字が並んでいます。

画像: 左の2021年のダイキンオーキッドレディスでは、右の2020年の三菱電機レディスよりもシャフトが低い位置から下りてきていることが見て取れる(写真/姉崎正)

左の2021年のダイキンオーキッドレディスでは、右の2020年の三菱電機レディスよりもシャフトが低い位置から下りてきていることが見て取れる(写真/姉崎正)

スウィング改造をすると動きがぎこちなくなるケースがありますが、少なくともこの4日間に関してはドライバーを気持ちよく振っているように見えました。取り組み始めて2、3カ月だと思いますが、短い調整期間の中でしっかりと新しい動きを身につけているのはさすがです。

ただ、本人いわく完成度はまだ低いようですので、今は試合をこなしながら再現性を高め、精度に磨きをかけていく段階ではないでしょうか。

シーズンを通じても変化してくることもあるでしょうし、現在の取り組みのおかげで見えてくるものもあるはずです。そういう意味で、スウィング改造の良し悪しはシーズン終了まで見届ける必要があるでしょう。

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