初日は1アンダー20位タイ。2日目に69、3日目に66とスコアを伸ばし、首位と2打差の3位タイから最終日をスタートした小祝さくら選手。
最終日は出だしの1番でボギーとするも立て直し、4番のパー5をバーディとし前半をイーブンで折り返します。後半11番、13番、14番とバーディを奪い同組の首位の森田遥、西郷真央両選手に並ぶと、最終18番パー5で3打目を約1メートルにつけ、落ち着いてバーディパットを沈めて優勝を手にしました。
そんな小祝選手のプレーを見て、私は「2021年の初戦というより、2020年シーズンの続きをプレーしているかのようなプレーぶりだな」ということです。
ご存じの通り新型コロナウィルスの影響で国内女子ツアーも2020年と2021年シーズンは統合され、ひとつのシーズンとなっています。賞金ランク4位で2020年シーズンを終えましたが、「今年の目標は賞金女王と複数回優勝」という小祝選手の中では、2020年からシーズンはしっかりと続いていたのでしょう。
オフに大きくスウィングを変化させることもなく磨き上げることに努め、辻村明志コーチに師事する上田桃子選手や松森彩香選手らとチーム内での切磋琢磨し試合感を切らさないオフを過ごし、2021年の開幕戦に臨んでいたのです。
優勝の要因はもちろんそのショット力、技術力もありますが、もうひとつ、コースマネジメントにも注目したいと思います。後半の11番パー5で、60ヤードの3打目を1メートルにつけバーディとするシーンがあったのですが、実は最終18番の3打目も残り60ヤードから打っていました。
ベテランの小畑貴宏キャディと話し合い、バーディがとれた11番と同じ60ヤードの距離が残るようにセカンドショットを刻んでいたのです。優勝争いの緊張感の中、プラン通りに落ち着いてプレーし、4日間の最終ホールで首位に立って優勝するという、なんともカッコいい勝ち方を身につけてきたことを強く感じました。
「親が欲しがっていたので(副賞の)ヤンマーのボートを獲りたいと思いました」と、勝負強さも見せつけてくれました。複数回優勝、そして賞金女王争いに加わることも間違いなさそうです。引き続き小祝さくら選手に注目したいと思います。