2013年にプロテストに合格し、2015年に初優勝を挙げるも、近年はひじの怪我に泣かされてきた藤田光里。2019年に下部ツアーのステップ・アップ・ツアー「ユピテル・静岡新聞SBSレディース」で復活優勝を挙げ、捲土重来を期した2020年シーズンはコロナ禍に泣かされた年だったという。
「2020年の初戦はヤマハレディースオープン葛城の試合だったんですが、コロナの影響で中止になってしまったんです。そこに“かけて”いたので、目標を見失ってしまい、1か月ほど自宅に引きこもっていました」
目標を失って引きこもり生活を送っていた藤田のもとに、レギュラーツアー開幕戦のアース・モンダミンカップに出場できるという一報が届いたのは、大会1週間前のことだったという。コロナ禍で海外選手が入国できなかったことを受けての繰り上げ出場だった。
「『アース』の1週間前に繰り上げで出場が決まったんですけど、そのときはクラブも振ってない、トレーニングもしていない生活をしていました。結果はボロボロでしたけど、それをきっかけにモチベーションが出てきました」
2018年1月に手術をしたひじの怪我の影響で、もともとドローヒッターだった藤田の持ち球はフェードに変化していた。しかし、それだとやはりプレースタイルに馴染まない。そこで、昨年7月からは再びドローボールを打つためにトレーニングとスウィング改造を敢行。
「ひじを怪我してからフェードヒッターになって、守りのゴルフというかアンパイに打っていたものをドローに戻して攻撃的なゴルフにしたいという気持ちとスウィングと、どちらも取り組んでいます。いま、自分のなかでは練習していて調子がいいんです」
藤田の初戦はステップ・アップ・ツアー、「ラシンク・ニンジニア/RKBレディース(3月23、24日)」。そこでの目標は、もちろん優勝。
「初戦がステップなのでそこで勝てるように頑張りたいなと思うのと、最終的にはQTに行くと思うんですけど、ポジションを取りに行けたらいいなと思っています(ステップ・アップの各大会の優勝者はQTファイナルステージの出場資格が得られる)」
そんな藤田が新たなシーズンを戦ううえで選んだのが、キャロウェイのニューモデル、エピックスピードだ。
「新しいドライバーにして、怪我をしてドライバーの飛距離が落ちたのが元に戻りました。顔もいいし、なによりボールスピード、飛距離があがっています。(前作の)エピックフラッシュと比べても、明らかに数字がいいんです」
もともと飛距離が魅力の大型プレーヤー。ひじの怪我、そしてコロナ禍とそれによるモチベーションの低下を乗り越えた藤田光里の本格的な復活に期待したい。