プレーオフを戦った稲見と永井も使ってた
明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメントでプレーオフを戦った稲見萌寧と永井花奈が「同じパター」を使っていたのに気づいたゴルフファンも多かったのではないだろうか。
それが、テーラーメイドの「トラス」だ。橋などに使われるトラス構造をネック部分に採用することで、見た目はブレードタイプながらマレットタイプのような直進安定性があるのがウリのモデルで、稲見はクランクネックの「TB1」を、永井はセンターシャフトタイプの「TB2」を使用していた。
稲見が使用するTB1は、写真を見ていただければわかる通り、構えたときはオーソドックスなピン・アンサー型に見える形状。ヒール側が名前の由来となった「トラス構造」となっている。
一方の永井の使用するTB2は、クランクネックのセンターシャフトタイプという珍しい形状をしたモデル。稲見が使うTB1同様、構えるとトラス構造は見えずにブレードタイプのパターとして違和感なく構えられるようにデザインされている。
このパター、もともとはブレードタイプが好みなのにマレットタイプのほうが結果が出るという世界ランク1位のダスティン・ジョンソンのために作られたという話がある。見た目はブレード、機能はマレットの“いいとこどり”。それを実現するのがトラス構造というわけだ。それだけに、ちょっと変わった形状ながらプロ人気は良好。
テーラーメイドツアー担当の真野義英氏によると、「オフセンターヒットの際にフェースアングルが変わりにくいところが最大の特徴」だという。
「高いレベルで実力が拮抗している女子ツアーでは、1.5〜2メートル以内をどれだけ取りこぼすことなく沈められるかということが、3日間で2打、3打の違いになって現れます。トラスは左右の打点のズレによるフェースアングルの変化が少なく、とくにショートパットがシビアになり過ぎないと採用してもらっています」(真野)
トラスにはツノ型マレットタイプもあるが、「ほとんどの選手は、構えやすいという理由からブレードタイプを使用しています」(真野)とのこと。永峰咲希や山路晶、堀琴音など8名程度が女子ツアーでは現在トラスを使用。女子ツアーで“静かなブーム”になっているようだ。