パットの打ち出しはフェースの向きが8割を決める!
ゴルフスウィングでは可動域の狭い腰椎(腰)ではなく、可動域の大きい胸椎(胸)を回すほうが自然だというプロゴルファー・大谷奈千代。これは他の番手より非常に短い距離を転がすパターでも同様で、「程度の差はあれど胸椎の動きは基本的に変わりませんし、体重移動も若干起こっていますよ」という。
ただし、アマチュアゴルファーがパッティングで体の動かし方をことさらに意識する必要はあるか、と問われると「答えはNOです」と大谷は語る。
「骨や関節の動きまで意識してパッティングするのは、それこそプロレベルのお話です。そもそもパットの打ち出し方向ってフェースの向きが80%ほど影響しますから、体の動きよりも前にフェースをしっかり打ち出し方向に真っすぐ合わせられているかのほうがかなり重要なんです」(大谷、以下同)
打ち出し方向にフェースを向けると聞くと、なんだか簡単そうに聞こえる。しかし「自分では真っすぐ構えているつもりでも実はズレていて、結果ミスパットが起こってしまっている方は結構多いです」と大谷は言う。
「たとえばフェースを開いて構えていてパットが右に外れているとしましょう。すると、3球目くらいからフェースをかぶせるようにヒットさせる動きが生じ無意識にストロークで調整してしまうのでさらにそのズレに気付きづらくなってしまいます」
写真Aのような極端なズレであれば真っすぐ構えられていないことはわかるだろうが、何より厄介なのはフェース向きのズレが微妙であるほど気づきづらい点。パットの8割を決める要素だから「自分の目線からは真っすぐ」くらいのわずかなズレでも、当然ミスの可能性は高まってしまう。
なのでまずは「本当にフェース面が打ち出し方向に真っすぐ向いているかをチェックしてみてください」と大谷。手っ取り早い確認方法としては、練習する際に「養生テープを打ち出し方向に向けて地面に貼ること」。打ち出し方向が視覚から明確になるだけでなく、長方形になるように切ることでフェース面を合わせる目安にもなるという。
もちろんパットのミスの原因はタッチの強弱や傾斜の読み違いなど多々考えられるが、そもそもしっかりフェースを打ち出し方向に合わせられていなければ元も子もない。パットが上手く決まらず悩んでいるなら、まずは自分の目から見た「真っすぐ」を疑い、正しくヘッドをセットできているかを改めて確認してみてはいかがだろう。
取材協力/ヒルズゴルフアカデミー