グリーン周りのアプローチといえば、大きく分けてランニング、ピッチエンドラン、ロブショットの3つ。この3つのアプローチを使いこなすにはボール位置や構え方だけでなくグリップの握り方も変えてみるとやさしくなるという。プロゴルファー・中村修に解説してもらった。

ピッチエンドランを基準にランニングはストロング、ロブはウィークに握る

ずいぶん昔になりますが、イベントで来日したカリー・ウェブ選手のキャディを務めたことがあります。その際に教えてもらった、アプローチのテクニックをお教えします。

それは、オーソドックスなピッチエンドランを基準に、グリップの握り方を変化させることでランニングアプローチとロブショットを打ちやすくするというテクニック。

ピッチエンドランは、ボールを右足つま先前辺りに置き、クラブと左腕が一直線になるように構え、構えたシャフトの傾き通り(ロフト通り)にインパクトします。このときのボールの位置は、アイアンショットよりも少し右目に置くため、スクェアグリップで握った場合に左手の甲はいつもよりも少し見える部分が多くなります(画像真ん中)。

ここでは、この画像真ん中のグリップをピッチエンドランの握り方と定義し、ランニングアプローチとロブショットを打つ際の握り方についてアレンジしていきます。

画像: ランニングアプローチ(左)はストロンググリップで握りピッチエンドラン(中)はスクェア、ロブショット(右)はウィークで握る

ランニングアプローチ(左)はストロンググリップで握りピッチエンドラン(中)はスクェア、ロブショット(右)はウィークで握る

ランニングアプローチの場合は、ピッチエンドランよりもさらにボール位置が右寄りになります。手元の位置を変えずに、ボール位置にフェースを合わせると左手の甲が見えるストロンググリップの形になります。

そのままフェースがターゲットに向くように合わせて握り直した形が画像左のグリップ。ピッチエンドランのグリップよりも左手甲の見える部分が多くなっている、つまりストロンググリップになっていることがわかるでしょうか。

このように握ることで、手首の動きがある程度制限されるのでフェースの向きをキープしたまま打ちやすくなります。

最後にロブショットは、ボールの位置が左足寄りに変わります。このときのポイントは、フェースを開いて左手の甲がターゲットを向いたウィークグリップで握り直すこと(画像右)。3つのアプローチのなかで左の甲がもっとも見えない握りです。こうすることで手首を支点にクラブヘッドを動かしやすくなり、インパクト前後をゆるやかな入射角で打てるようになります。

ちょっとした工夫ですが大きな効果がありますので、自分なりのピッチエンドランのグリップを基準に試してみて下さい。

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