高校生のとき初めて出場したプロの試合で劇的な優勝を飾り一躍ゴルフ界の救世主となった石川。2009年には世界ランク29位(最高位)に上り詰め、2歳年上のマキロイ、3歳上のファウラーとともに“3R”の一角として世界から脚光を浴びていた。
デビュー当時は「20歳でマスターズ優勝」を目標に掲げていたが5年間参戦した米ツアーでは結果を出せず2017年を最後にアメリカ撤退。「現実的には通用しなかった」と高い壁に跳ね返され国内ツアーに舞い戻った。
それでも2019年には国内で3勝を上げ世界ランクは前年の200位台から80位まで上昇。だがコロナに水を差されて出場機会が激減し、現在同ランクは119位にとどまっている。
ではマキロイはどうか? ディフェンディングチャンピオンとして挑んだプレーヤーズ選手権で初日に79を叩いて予選落ち。およそ3年ぶりに世界ランクトップ10圏外(11位)に後退した。
2年前にプレーヤーズに優勝した頃は出ればトップ5入りと絶好調。2020年2月に世界ランク1位に返り咲いたがコロナによるツアー中断のあと調子を落としプチスランプに陥っている。
もうひとりのR、ラウファーの現状はさらに厳しい。今季13試合に出場し予選落ちが5回。最高位は2月のジェネシス招待での20位タイ。目下世界ランク70位でマスターズ出場が危ぶまれている。常に冷静でポーカーフェースの彼が珍しくミスに腹を立て幼馴染で長年コンビを組んでいるキャディに八つ当たりするシーンも目撃されている。
ツアーイチの人気を誇るが最近ではラウンド前の選手紹介でスタートアナに「リッキー・“フラワー”」と名前を呼び間違えられる災難に見舞われ、テレビ解説のニック・ファルドには「彼がマスターズに出られなくて良いことがあるとすれば、その週にCMを6本撮影できる」と皮肉られてしまった。
それぞれがそれぞれの立場で逆境に立たされている3人。しかし本人たちもいうようにゴルフに浮き沈みはつきもの。ピンチはチャンス。今後の3Rに引き続き注目だ。