ゴルフクラブは最大14本まで使えるというルールがあるが、組み合わせは自由だ。そのため、ショートゲームを重視した小さい番手を厚くするゴルファーもいれば、安定した距離を稼ぐためにフェアウェイウッドやユーティリティを多く入れるゴルファーもいる。
女子ゴルフ界でいえば渋野日向子がウェッジを4本体制してショートゲーム重視のセッティングにしたことが話題になったが、これはプロや上級者の話だ。
ゴルフはルールで最大14本のクラブを使うことができるが、実は少ない分には何本でもいい。そして、ビギナーがスコア「120」を切ることを目指すうえでは、「14本も必要ありません」とプロゴルファー・兼濱開人は断言する。
「たとえば、ドライバー、7番アイアン、ピッチング、サンドウェッジ、パターの5本だけで120は切れると思います。というのも、初心者ゴルファーがゴルフを難しいと感じる大きな理由のひとつに『情報量の多さ』があるからです。クラブの本数を絞って情報量を減らすことでクラブ選択の“迷い”がなくなり、ショットに集中できる可能性があります」
「6番がいいかな?7番かな……?」といった悩みはバッグに7番しか入ってなければそもそも存在しなくなる。それにより、ショットに集中できるというわけだ。また、中級者でも扱いが難しいファウウェイウッドやユーティリティ、5番や6番アイアンを抜けばミスの確率はそれだけで減らせる。
さらに兼濱は、クラブの本数を絞るもう1つのメリットとして「自信を持つクラブを増やせる」と続ける。
「14本のクラブすべてを自信持つためには相当な練習量が必要ですが、5本だけなら1本にかける練習量も増えますし、限られた時間の中でも自信を持てます。そして、自信のあるクラブを軸にスコアを組み立てるほうがスコアメイクにも、上達にもつながると思います」
コースへ出るとクラブ選択のほかにも、ターゲットの見極め、コースレイアウトの確認など多くの情報処理をすることになる。さらに後ろの組が追いついてきたときには「早く打たないと」という焦りが大きいが、クラブの本数を絞っていればクラブ選択の迷いもなくなるし、自信のあるクラブで打てるから気持ちはラクになりそうだ。
「最初から5本と決めるのは勇気がいりますから、まずは1ラウンドで使ったクラブをスコアカードに書いて、見直してみてはいかがでしょうか?その中であまり使っていないクラブから抜いてあげると迷いが減ってくるはずですよ」
クラブの本数を絞ることで120切りするためのヒントが見えてくるはず。みなさんも一度試してみてはいかがだろうか?