プロから高い人気を集めたテーラーメイドのウェッジ、ハイトウシリーズの最新モデル「ハイトウ ロウウェッジ」をプロゴルファー・中村修がコースで試打! そのインプレッションをレポートする。

先日カレドニアンGCで行われたテーラーメイド主催の9ホール試打ラウンドに参加してきました。2021年新たに登場したテーラーメイドの各クラブ、ボールを一挙に体感できる一日となりました。

中でも気になったのが、今年2月に発売されたばかりの「ハイトウ ロウウェッジ」です。2018年に発売されたハイトウシリーズの最新モデルにあたりますね。

画像: ハイトウシリーズの最新モデル「ハイトウ ロウウェッジ」

ハイトウシリーズの最新モデル「ハイトウ ロウウェッジ」

初代ハイトウウェッジはPGAツアープロから高く評価され、ダスティン・ジョンソンやロリー・マキロイらも使用。当時契約フリーだったフランチェスコ・モリナリもハイトウウェッジをバッグインして2018年の全英オープンを制覇して注目を集めました。昨年全米プロゴルフ選手権を制したコリン・モリカワもハイトウの60度を使用していましたね。2019年にはよりフェースを高く、ソール幅を広くしたやさしい仕様の「ハイトウ ビッグフットウェッジ」も登場しています。

最新モデルの「ハイトウ ロウウェッジ」でも同様ですが、ハイトウシリーズはその名の通りトウ側を高くした設計。さらにバックフェースのソール側にキャビティポケットを作り、余剰重量を高い位置に配置することで重心位置を高めに設定。重心よりも下で打つことでよりスピン量が増えるエリアを広げています。

画像: テーラーメイド「ハイトウ ロウウェッジ」(写真はロフト56度、スタンダードバウンスのモデル)

テーラーメイド「ハイトウ ロウウェッジ」(写真はロフト56度、スタンダードバウンスのモデル)

で、ハイトウ ロウウェッジの新たな特徴としては、フェース面のみノーメッキ仕上げで、溝のデザインもさらに細かくしてスピン性能を高めている点。実際に試打してみましたが、やはりノーメッキのメリットであるスコアラインのエッジを立たせる効果は感じます。とくにヘッドスピードの遅いショートゲームでボールにしっかりスピンがかかってくれていましたね。

また、重心がやや高い位置にあることで、ラフに浮いたボールを打つときにフェース上部に当たって距離が出ない、スピンがかからないというミスを軽減してくれているように感じました。フェース面がノーメッキなことでまぶしさの軽減にも一役買ってくれますし、バックフェースはメッキ加工してあるので錆びることもなく見た目も長持ちして安心です。

画像: フェース面はノーメッキで新設計の溝デザインでスピン性能が向上。56~62度はフルスコアライン仕様になっている

フェース面はノーメッキで新設計の溝デザインでスピン性能が向上。56~62度はフルスコアライン仕様になっている

また、試打ラウンドでは今年からテーラーメイドと契約を結んだ石坂友宏プロが、ハイトウ ロウウェッジをいつも通り打ったときと、霧吹きでフェース面を水に濡らしてから打ったときの結果をそれぞれトラックマンで計測して比較する、というデモンストレーションがあったのですが、スピン量がほぼ変わらなかったのには驚きましたね。

画像: 試打ラウンドでは石坂友宏プロによるデモンストレーションも行われた

試打ラウンドでは石坂友宏プロによるデモンストレーションも行われた

ロフトも50度から2度刻みで選べますし、バウンスも「スタンダード」(52~62度)、バウンスが出ていない「ローバウンス」(58、60度)、バウンス角15度でワイドソールの「ビッグフット」(56、58、60度)と選択肢があるのも良い点。

ただ、ノーメッキによるデメリットも忘れてはなりません。軟鉄鋳造の素材を採用していることもあり、使用頻度が多ければ徐々に溝が浅くなってくることは避けられないので注意したいところです。もっとも、アプローチやバンカーの練習をプロ並みにやらなければ大きな問題にはならないと思いますが……。

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