女子プロたちには「SIM2」よりも「SIM2マックス」が人気？ 女子ツアーのドライバー事情

2021年に入ってから発表され、大きな話題となったドライバーといえば、テーラーメイドのSIM2シリーズと、キャロウェイのエピックシリーズがある。そのどちらも、女子ツアーでは多くの選手が使っているのだが、そこには女子プロならではの傾向が見られるのが面白い。たとえばSIM2シリーズでいえば、SIM2マックスの人気が高い。

永峰咲希、山路晶、大西葵、山内日菜子といった契約プロの多くがSIM2マックスを選択。契約選手で言うとジョン・ジウン、ジョン・ミジョン、契約外では脇元華がSIM2を使っているが、「女子に関してはほぼSIM2マックス。ミジョン選手はSIM2マックスも持っていて、コンディションでどちらかを選択しているようです」（ツアー担当者）という。

一方のキャロウェイはどうかといえば、開幕戦の段階ではペ・ヒギョンと西村優菜がエピックスピード、上田桃子、柏原明日架、竹内美雪がエピックスピードプロトタイプを使用。エピックマックスを使うのは河本結だけで、エピックマックスLSは田中瑞希、キム・ハヌルが使用していたが、エピックマックスLSの人気がジワリと高まっているようだ。

「アクサレディス」を現地で取材するプロゴルファー・中村修は言う。

「テーラーメイドの3モデルはつかまりと球の上がりの度合いがそれぞれ異なりますが、女子プロにとっては、SIM2マックスのほどよいつかまりと球の高さがちょうどいいんだと思います。もっともつかまりがいいのはSIM2マックスDですが、プロにとってはちょっとつかまりが良すぎてしまうみたいですね」

では、キャロウェイの場合はどうか。

「キャロウェイの場合、エピックスピードは操作性、エピックマックスは寛容性、エピックマックスLSは低スピンと、それぞれにキャラクターが異なります。エピックマックスLSはスピンを減らしてランも含めた距離を稼げるモデル。女子ツアーでも飛距離が求められるようになっていますから、飛距離を求めて選んでいるようです」

2021年に入って小祝さくらが2勝を挙げて好調だが、彼女が手にしているのはスリクソンの最新モデル「ZX5」。女子プロの間では「ZX7」の使用者が多いが、小祝の場合より寛容性の高いZX5のほうがマッチ。右へのミスが減り、飛距離も3〜5ヤードほど伸びているようだ。

ヘッドスピードでいえば男子アマチュアと大きく変わらない女子プロたちのクラブ選び、参考にしてみてはいかがだろうか。