先だって行われたジャパンゴルフフェア2021だが、大手ゴルフショップチェーン、ゴルフパートナーが注目を集めていた。中古ゴルフクラブを扱う同社のブースでは、正規品でない偽物クラブ、いわゆるコピー商品と本物を見比べるコーナーを展示していたのだ。
90年代には、「Sヤード」をもじった「Sチャンプ」や「Sバード」などがディスカウントストアに並び、当時としては破格に安い1万円弱くらいで販売されていた。コピー商品とは、そうした明らかにそれとわかるものではなく、意図的に本物と誤認させることを狙った悪質なものだ。
このコピー商品ビジネスはどうも儲かるようで、筆者が知る限りもう20年以上存在している。
オークションサイトや独自のWEBショップなど、足がつきにくい場所で販売すれば、なかなかの高額で販売できる。買った人は、意中のクラブが安く買えたと喜んでいると、実は偽物を掴まされているというわけだ。使っているうちに、打感や打音、色味の違いなどから、コピー商品と気づく人も少なくないが、一旦買ってしまうと、挽回する余地はほぼない。悪質なコピー商品業者は、基本的に返品には応じないからだ(※筆者注 返金に応じた例もないわけではない)。
実は筆者はゴルフパートナーのOBで、もうかれこれ20年前になるが、短期間ながら、実際にフランチャイズ店向けにコピー商品を判別する研修を行っていた。そんな経験もあって、コピー商品を判別する事はかなり長けていると思う。判別のポイントなどは、今も昔もそれほど変わってはいないためだ。
しかし、今回ブースで見たコピー商品のクオリティには、少し驚いた。これらの品質は年々上がっているのだが、いよいよ見分けがつきにくくなってきているのだ。本物を知っていないと、一見するとわからないものが多く、かなり精巧になってきている。一般のゴルファーであれば、ほとんどの人が判別できないだろう。
「ここ数年、コピー商品の作りがさらに精巧になってきています。これらのクラブが出回らないように、注意喚起を行うとともに、店舗スタッフがしっかりと“目利き”を行っているところもアピールする狙いがあります」(同社 販促企画課 梶原優子氏)
見分けのポイントだが、正規品と刻印の位置や幅、仕上げや材質の違いなどが有効なのだが、正直馴れていないと難しいだろう。見分ける自信のない人は、著しく低価格なものや出どころが怪しい商品を遠ざけておいたほうが良さそうだ。