4月1日から4日間の日程で開催される「ヤマハレディースオープン葛城」。プロゴルファー・中村修が注目するのは2020年のステップアップツアー5試合のすべてでトップ10(優勝1回)に入った植竹希望。シード獲得を目指すショットメーカーのスウィングを解説。

身長170センチの恵まれた体格から250ヤード級の飛距離を放つ、2017年プロテスト合格の植竹希望選手。飛距離はもちろん、高いパーオン率を誇るショット力が魅力の選手です。

2020-21シーズンは9試合に出場し、パーオン率は75.9%。2020年は出場優先度を示すQTランクが48位とそう高くなかったため、レギュラーツアーとステップアップツアーを掛け持ちしていました。レギュラーツアーでの最高順位は「ゴルフ5レディス」で6位タイでしたが、ステップアップツアーでは優勝1回の他出場5試合すべてでトップ10入りして賞金ランク2位につけるなど、着実に力をつけてきています。

画像: 中村が注目選手に挙げたのは、昨年のステップアップツアーで結果を出した植竹希望

中村が注目選手に挙げたのは、昨年のステップアップツアーで結果を出した植竹希望

前週の「アクサレディス」では予選落ちに終わりましたが、キャディを務めた関根淳プロキャディに話を聞くとプロキャディの間でも注目されている選手だと教えてくれました。

「試合になると球が飛びすぎてしまい距離感が合わないことや、予選通過ラインの位置で決めなければならないパットを決めきれないところなど、レギュラーツアーで戦うための経験を積んでいる段階ですが、ショット力が高く、確実にレギュラーツアーで活躍できるポテンシャルを持っていると思います」(関根淳プロキャディ)

ツアーを戦いながら様々なことを学び、成長している真っ最中といったところのようです。

それではスウィングを見てみましょう。オーソドックスなスクェアグリップで握りスタンスは肩幅よりもわずかに広いワイドスタンスです。両腕と肩で作る三角形がキレイに見えています。その三角形を崩さないように腕を伸ばし下半身、胸の動きと調和したまま遠くにワイドなテークバックを取ります。

トップの位置はコンパクトですが背中はしっかりとターゲットに向いています。これにより、下半身から切り返したときに、飛ばしの原動力となる上半身と下半身の捻転差が作られます。

画像: 画像A オーソドックスなスクェアグリップで握り(左)コンパクトだが背中はターゲットに向き 捻転は深い(右)

画像A オーソドックスなスクェアグリップで握り(左)コンパクトだが背中はターゲットに向き 捻転は深い(右)

画像Bの左を見てください。上半身は背中がターゲットをまだ向いている状態ですが、下半身はアドレスと同じ位置くらいにまですでに戻っていますよね。これが、上半身と下半身の捻転差です。

このとき、グリップエンドがターゲットと反対方向へと動いている点に注目してください。ターゲットと反対方向に動くことで、ダウンスウィングでヘッドが描く円弧が大きくなり、クラブを加速する助走距離を作ります。

画像Bの右では左腕とクラブの作る角度がつきタメができています。しかし、左の画像よりもクラブの長さが短く見えているので縦方向のタメではなくスウィングプレーンに沿ったタメができていることを表しています。手元の位置が低いことから、浅くシャロ―な入射角でクラブが下りてきていることがわかります。

画像: 画像B 切り返えすと捻転差は大きくなり(左)、手元が低い位置に下りてくる(右)

画像B 切り返えすと捻転差は大きくなり(左)、手元が低い位置に下りてくる(右)

画像Cの左では手元がアドレスの位置に戻ってきていますがクラブヘッドはまだ地面と平行に近い位置にあります。タメが解かれずにいることでこの位置からフォローに向けてヘッドスピードがマックスに加速していきます。

画像Cの右ではボールを押せるハンドファーストでインパクトしていることが見て取れますね。インパクト前後のフェースローテーションも少なく、飛距離と方向性に優れたスウィングを身につけています。飛距離やパーオン率の高さもうなずけるスウィングです。

画像: 画像C 手元がアドレスの位置に戻ってもタメがほどけず(左)ハンドファーストで球を押せるインパクト(右)で飛距離と方向性を両立する(右)

画像C 手元がアドレスの位置に戻ってもタメがほどけず(左)ハンドファーストで球を押せるインパクト(右)で飛距離と方向性を両立する(右)

ホステス大会となる「ヤマハレディースオープン葛城」では、持てるポテンシャルを存分に発揮してまずは予選通過、決勝ラウンドでは上位進出を目指すことになるでしょう。

ポテンシャル十分の植竹希望選手。どんなプレーを見せてくれるのか注目しましょう。

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