「風を読むときは、自分がいる位置、上空、グリーン付近、この3つを確認する必要があります。枯芝を飛ばして風向きを見るゴルファーはいますが、それでは自分がいる位置の風しかわかりません。上空とグリーン付近も確認するのが大事です」(高久、以下同)
たとえば自分の位置の風はフォローだとしよう。「フォローだから番手を落として打とう」と打った結果、上空やグリーン付近がアゲンストならショートしてしまう可能性が高まってしまう。
「自分の位置は枯芝を風に飛ばして確認。上空は木の動きを、グリーン付近は旗の揺れ方を確認して、アゲンストなのか、フォローなのか風向きを確認していきましょう」
もちろんいきなり正確に読めるわけがないが、現在地点、上空、グリーン付近の3箇所の風を気にする習慣をつければ、やがては肌感覚としてわかってくるはずだ。
さて、次はスウィングで意識するべきポイント。高久は「アゲンストの場合のティショット、フォローの場合のショートアイアンでグリーンを狙うショットに、とくに注意が必要です」という。まずアゲンストのティショットから教えてもらおう。
「アゲンストでドライバーを打つときにティアップを低くするゴルファーは多いですが、低くすることでヘッドはダウンブローに入り、スピン量が増え、余計にアゲンストに弱い、飛ばない弾道になりかねません。なので、ティの高さを変えたり、低く打とうという意識は持たないようにしてほしいです」
現代のドライバーはもともと低スピンになるように作られているためアゲンストの影響は昔のクラブほど大きく受けない。だからこそ「基本的にはクラブを指1~2本分短く持ってミート率を重視してあげるだけで十分」と高久はいう。ミスヒットしてスピンが増えたり、曲がったりするリスクを下げてあげることのほうが重要ということだ。「普段から風ゴルフ対策として短く握る練習をしておくことがオススメですよ」(高久)という。
では、フォローではどんなことに気をつけたらいいのだろうか?高久は「フォローだからといって喜んでばかりもいられないんです」とこう解説する。
「フォローではとくにショートアイアンのショットに気をつける必要があります。フォローの風ではスピン量が足りないと、ドロップして風に落とされてしまう危険性があるんです。とくにグリーンを狙うショートアイアンでは距離を合わせようとしてインパクトがゆるみやすく、結果スピン量が足りなくてショートしてしまうという状況になりやすいんです」
フォローだとかえってショートしてしまうとは意外。この対策は、「しっかり振り抜くこと」だという。「グリーンオーバーしてしまうことを想定してインパクトでゆるんでしまうケースが多いですが、クラブを1~2番手落とせば問題ありません。そして適正なスピン量で打つためにはミート率が重要ですから、肩から肩までのスリークウォーターの振り幅でしっかり振り切りましょう」
なんとなくティアップを低めにしてみたり、フォローでは軽めに打ってみたりということをしがちだが、実はそれがミスの元になっていたのかも。正しい対策を知って、風が吹く日もスコアを守ろう!
撮影協力/エースゴルフクラブ赤坂