「基本的に球筋は軌道がインサイドアウトならドロー、アウトサイドインならフェードになりやすいですよね。実際は軌道とフェース向きの両方をコントロールする必要があるのですが、実はちょっとした工夫でも球筋は変えられるんです」(奥山、以下同)
奥山によれば、その「ちょっとした工夫」はふたつある。まずひとつ目から。
「まずはボールとの距離です。いつも構える位置より遠くにボールを置いて構えると、ボールと体の間にスペースが空きますからクラブが内側から入りやすくなります。つまりインサイドアウトで振りやすく、ドローを打ちやすくなるんです。その逆でいつもより近く構えると外側から入りやすく、フェードが打ちやすくなるんです」
これは大幅にボールとの距離を変えるというわけではなく「ボール1個分近く、もしくは遠く構える」だけでいいようだ。試してみるとわかるが、ボール1個分でも構えた時の視界が変わる。もちろん最初は違和感を覚えるはずだか、まずはボール1個分距離を変えて自分にとってインサイド、アウトサイドに振りやすい位置を探してみるといいかもしれない。
また続けてふたつ目の工夫も、やはりアドレスでの工夫だ。
「ドローを打つ場合はトウ側、フェードの場合はヒール側にボールをセットしましょう。というのも、ボールがフェースの先のトウ側に当たるとギア効果によって左回転がかかりドローが打てる。またその反対でヒール側に当たると右回転がかかってフェードが打てるんです。そのため、アドレスのときに打ちたい球筋によってボールをセットする位置を変えると、フェースのどこに当てたらいいのかイメージしやすくなるというわけです」
このようにスタンスの位置とボールの位置の両方を組み合わせてあげると「ドローを打ちたいからインサイドに振ろう」などと考えなくても自然と曲がる球を打てるようになるというのだ。
また打ち分ける方法として「“フェースの開閉で球筋を変える”と思っている方も多いかと思いますが、90度曲げるような球を打つ以外、そこを意識する必要はありません」とのことだ。距離感や曲がり幅が調節しにくく、ミスの確率も高まるのでやめたほうがベター。
アドレスにふたつだけ工夫して、あとはいつも通り振るだけならアマチュアゴルファーにも取り入れやすいはず。まずは練習場で試してみてはいかがだろうか?
撮影協力/ゴルフガーデン椎の木
※2021年4月2日17時5分 内容を一部修正いたしました。