コロナ禍のなか、屋外でできる比較的安全なレジャーとして、世界的にゴルフ人気が高まっている。その結果起こった予期せぬ問題について、ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが解説する。

昨年から、ゴルフショップやゴルフ場はかなりの好景気に湧いている。あるゴルフ関係者は「コロナ禍で飲食店など大変な思いをしている人が多い中で、何だか申し訳ない」と漏らしていた。筆者自身に限っては、相変わらずの低空飛行なのだが、どうも業界全体としてはそうらしい。

そんな中、今年のはじめあたりから物不足という問題が出てきている。特に深刻なのがグリップで、ショップ店頭の在庫があったので持ちこたえていたようだが、いよいよ店頭では問題が顕在化してきているようだ。

ゴルフ工房では、注文があってもグリップが装着できないために、納品が出来ないという笑い話のようなケースもある。それほどこだわりがなければ、在庫がある別のグリップにすればいいわけだが、こだわりゴルファーほど、グリップにはなかなか妥協はできないものなのだ。

画像: ゴルフ業界は好景気だが、一方で予期せぬ問題も

ゴルフ業界は好景気だが、一方で予期せぬ問題も

大手メーカーのカスタムも状況は深刻だ。先だって筆者もあるアイアンをオーダーしたが、某社だと納期がわからないと、はっきりアドバイスされた。メーカーによっては、納期が2022年以降になるという笑えない話も聞く。

最近になって、巷で問題になっているのは、シャフト不足だ。さまざまなシャフト、そしてスペックが欠品している。最近ゴルフショップや工房にいったゴルファーは、そんな話を聞いたことがあるのではないだろうか。海外メーカーのパーツが供給不足のため、日本メーカーも増産に追われているという話もある。

なぜこうした問題が起きているのだろうか。

それは昨年からの世界的なゴルフブームも要因だが、その前に起きた、コロナ禍による圧倒的な需要不足の影響が大きい。現在においても、沈静化しているとはいえない新型コロナウィルス問題だが、昨年の今ごろは、市場が大きく冷え込み、多くの製造業がのっぴきならない状況になっていた。なにせ先が見えない上、今後どんな状況になるか、予測するのが難しかった。

そこで、多くの工場が大規模に人員を削減するという方針をとった。単年契約の工員は再雇用しないなどしたため、生産能力が一時的にかなり落ちたのだという。また、販売予測を精度高く行うことも難しいため、生産計画はごく控えめになっていたようだ。生産能力のダウンと、生産計画の縮小、そして膨大な需要増、それらが重なって、現在の物不足は起きているようだ。

この状況はいつまで続くのだろうか。某社の製品の納期予定表を見てみると、納期が9月以降のものはまだ良くて、2022年1月以降のものも少なくない。さらに「未定」というものもある。これほど深刻な物不足はこれまで見たことがない。

幸い、シャフトもグリップも日本国内で生産しているメーカーは少なくない。それら代替になる製品が断続的に流通できれば、それほど大きな問題にならなくて済む可能性もあるが。いずれにせよ、現在はかなり厳しい状況で、当面の間、多くのゴルファーに影響が出てくるかもしれない。

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