ボブ・ボーケイが日本人ゴルファー向けにつくってきた歴代のボーケイ フォージドウェッジシリーズ。その最新モデルはボーケイ氏自身が日本のゴルフ場を視察し、日本人に限らずすべての「日本のゴルフ場でプレーするゴルファー」に向けてつくったというウェッジ。
では、どのあたりが“日本仕様”なのか。まずはその形状だ。日本のゴルフ場の芝に多いコーライ芝はボールが浮いた状態になりやすい。そのため、日本のウェッジにはグースネックになったものが少なくないが、新しいボーケイフォージドは構えてみると、ほんの少しグースになっていることがよく見るとわかる。
それでいて、ネックからフェース面にかけてのつながりを工夫し、グースに見えないような工夫がされている。また、わずかにグースでありながらフェースを開いて使ったときにも違和感がないように、リーディングエッジはわずかに丸みを帯びている。
タイトリストのウェッジといえば、ロフトやバウンスだけでなくソール形状(=グラインド)を選べるのも特徴だが、日本のゴルフ場に特徴的なグリーンとの間に距離のあるバンカーに対応するため、コントロールショットをしやすいMグラインドを50度、52度といったロフトに採用したり、開くとバウンスが活きてくる「Bグラインド」を、表面はサラサラだが中はウェットなバンカーに対応させるために採用したりしている。
以上のようにこのウェッジ、一見普通のウェッジなのだが、よくよく見ると細部が徹底的に“日本仕様”となっているのだ。このウェッジをいち早く試打したプロゴルファー・中村修は言う。
「同じボーケイの『SM8』で採用した前重心かつ高重心な設定もあって、自然に打点が芯に近い位置に集まってきます。新しく採用されたBグラインドも試してみましたが、薄い芝や硬いバンカーでも効果的にバウンスが効いてくれました」(中村)
多彩なロフト、多彩なバウンス角、多彩なグラインドを用意する理由は、プレーヤーそれぞれが自分に合ったモデルを選ぶことができるから、というのがボーケイウェッジの考え方だという。既存のSM8シリーズに加え、新たにフォージドウェッジがラインナップに加わったことで、その選択肢はさらに広がったと言えそうだ。