予想したのは、海外ツアーに精通するプロゴルファー・佐藤信人、教え子の梶谷翼がオーガスタ女子アマを制したばかりのコーチ・青木翔、PGAツアーのギア事情に詳しいゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロ、そしてみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修の4名。
それぞれの観点から、優勝の◎本命 ○対抗、そして▲穴を予想してもらった。早速みてみよう!
プロゴルファー・佐藤信人の予想
◎本命:ジャスティン・トーマス
マスターズの歴代チャンピオンは、マスターズの3カ月前くらいまでに優勝あるいは優勝争いをほぼ、全員しているんです。トーマスは「ザ・プレーヤーズ選手権」で勝ちましたけど、その勝ち方が凄かった。最終日の16番、18番ホールでダッグフックに近いようなティショットをあの局面で打とうとすること自体も、それを成功させたことも凄い。
曲げたり高低を打ち分けたり、オーガスタはそういう技術が必要になりますからね。それにマスターズの成績も19年は12位、20年は4位と、年々上がってきていますし、「そろそろ」かなと思います。
〇対抗:ジョン・ラーム
ワールドランク上位者はみんな勝ちそうには見えますが、なかでもジョン・ラームが対抗になるんじゃないかなと思います。ラームは20年「BMW選手権」以降優勝していないけど、優勝・上位争いはずっとしています。当初、第一子の出産とかぶりそうで出場できないかもという報道がありましたが、直前に生まれましたよね。なので、試合へのモチベーションも上がっているはずですし、いいメンタリティでマスターズを迎えられるのではないでしょうか。
▲穴:ポール・ケーシー
ひそかにポール・ケーシーは楽しみにしていますね。今年のヨーロピアンツアー「オメガドバイデザートクラシック」で勝ちましたし、その後もPGAツアーの成績が良くて、これまでのマスターズでも安定した成績を残しています。
40歳を過ぎてからバルスパー選手権(2018、19年)も連覇しているし、昨年の全米プロも優勝争いをして2位タイでした。それに同じイングランドの47歳、リー・ウエストウッドが「ザ・プレーヤーズ選手権」で優勝争いの末、2位と、PGAツアーで活躍しているのもいい刺激になっているみたいなので、今年の成績を見るといいところにくるんじゃないかなと思っています。
コーチ・青木翔の予想
◎本命:ブライソン・デシャンボー
トレーニングとスウィングを直結させ、体を大きくしてパワーゲームに真っ向から取り組むのは度胸がいること。それがひとつの正解だと、2020年の全米オープン優勝で示しましたよね。時代の象徴としてマスターズで勝つ姿を見せてほしいです。
〇対抗:ロリー・マキロイ、ジャスティン・トーマス、ジョン・ラームなどの世界ランク上位の有力選手
▲穴:松山英樹
穴狙いで松山英樹選手というのは失礼なことですが、やっぱり期待も込めて、松山英樹選手を挙げたいと思います。
ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロの予想
◎本命:ブライソン・デシャンボ―
ロフト角4.5度のドライバーを用意しているという情報が入ってきていて、使うかは分からないけどここへきてもっと飛ばしてやろうと思っているということ。
オーガスタは硬くて速いグリーンが有名ですけど、ラフが短いのでショートアイアンやウェッジでビシビシ止めることができる可能性がある。だから、ハマれば爆発的なスコアを出す可能性が高いと思うんです。先日、370ヤードの池越えをしていましたが、それと同じことができるわけです。全米オープンを制したように、コースをぶっこわすプレーが噛み合えば別次元のゴルフができる可能性がある。
〇対抗:ブルックス・ケプカ
ケプカはメジャーに強いのと、オーガスタと相性がいいですし、メジャーの勝ち方を知っている選手です。それと彼は去年まではミズノのアイアンで4勝を挙げて、今年はダンロップのスリクソン「ZX7」アイアンを使っていますよね。日本製のクラブを使っている選手を応援しようという意味も込めてケプカ対抗かなと思いますね。
同じ理由でミズノのアイアンを使うジェイソン・デイと、ジャスティン・ローズ。初日松山英樹選手と一緒に回るエイブラハム・アンサーという選手は三浦技研を使っているので頑張ってほしいですね。
▲穴:松山英樹
ここ2~3年は何度もドライバーを変えていましたが、今はスリクソンをシーズン越えても使っている。勝つためにスリクソンを選んでいるわけで、そこはプラスポイントじゃないかなと思います。オーガスタでは常に優勝候補で、10年連続出場しているし、自分が何をすべきがわかっているし、チャンスはあると思います。
みんゴル編集部員/プロゴルファー・中村修
◎本命:ジャスティン・トーマス
世界ランク2位、平均パット1位のパッティングでマスターズのガラスのグリーンでバーディを量産しそう。昨年は4位と苦手意識もないでしょう。
〇対抗:コリン・モリカワ
世界ランク4位、2020年全米プロ優勝、今季1勝でティからグリーンまでのショット貢献度は3位と非常に高い。残るはパッティングがどれだけ入るかの勝負になってくると思います。
▲穴:松山英樹
世界ランキング25位、調子の良い日が昨年よりも増えてきていることから目澤秀憲コーチとタッグを組んだ成果がそろそろ出てきそう。お互いの理解が深まり高いショット力の安定につながってきていると思います。