どのゴルファーにもスコアの壁はつきものだが、始めたばかりのゴルファーが「スコア120」の壁を乗り越えるためにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説する。今回はティショットでOBへ打ち込まないための対策について。

ゴルフを始めたばかりの初心者ゴルファーが狙った方向へ真っすぐボールを飛ばすことは難しい。とくに若くてパワーのあるゴルファーの場合、ティショットが大きく右に曲がるスライスは悩みのタネだ。

大きく右に曲がったボールが「OB」ゾーンへ打ち込んでしまうと、打ち直しのショットは3打目。「前4」とか「プレ4」などと呼ばれる前方の特設ティから打つ場合は4打目と、スコアを大きく崩す要因となる。連続OBとなればなおさらだ。

画像: 少しでもOBを減らすためにどうしたらいい?(撮影/大澤進二)

少しでもOBを減らすためにどうしたらいい?(撮影/大澤進二)

では、どうすればOBを減らすことができるのだろうか? プロゴルファー・兼濱開人は「ティーイングエリアの立つ位置を見直してみましょう」と話す。

「よく、スライスするならティーイングエリアの右端にティアップし、コースを対角線に狙うといい、と言われます。しかし、その狙い方だと、初心者ゴルファーに多いクラブの“アウトサイドイン軌道”が強まり、余計にスライスしてしまいます。なので、オススメは、ティーイングエリアの左ギリギリに立って、打つことです」

兼濱いわく、ティーイングエリア左ギリギリに立つと、「左に打ち出しにくい」状況をつくることになる。そのため、スウィングのアウトサイドイン軌道が軽減されるのだという。

画像: ティイングエリアの左側に立って、左に打ち出しにくい状況をつくろう

ティイングエリアの左側に立って、左に打ち出しにくい状況をつくろう

「極端な話ですが、壁にお尻をくっつけて素振りしようとしたら左に引っ張るアウトサイドイン軌道の動きより、インサイドアウト軌道の動きの方がラクにできますよね。それと同じ状況をコースでも作ってあげたほうが、曲がり具合は減りますし、今後の上達のためにもいいはずですよ」

左側に立ち、直線的に狙ってもホールの右サイドは広く使えるため、スライスしても右ラフでボールが止まってくれる可能性は高まる。そしてなにより「スライスしないように、直線的に打つ」と考えたほうがスライス改善の近道になるというわけだ。

しかし、それでもOBゾーンへはいってしまうほど大きく曲がってしまうスライスが出てしまうことだってあるはずだ。そんなゴルファーは「距離は落ちますが、足を閉じて打ってみましょう」と兼濱。

画像: スタンス幅を狭くしてスウィングすると無駄な動きはなくなるため、大きく曲がるスライスは減ってくると兼濱はいう

スタンス幅を狭くしてスウィングすると無駄な動きはなくなるため、大きく曲がるスライスは減ってくると兼濱はいう

「ドライバーを打つときのアドレスは肩幅もしくはそれ以上に開くのが一般的ですが、そこを思い切ってピタリと足を閉じるか、腰幅くらいのスタンスをとりましょう。そうすると、オーバースウィングや過度な体重移動といった無駄な動きはできないですよね。支点となる体が安定して自然とスウィングが良くなり、曲がり幅も自然と減ると思いますよ」

スコアを崩す大きな要因である「OBを減らしたい!」とお悩みのゴルファーは、一度試してみてはいかがだろうか。

撮影協力/広尾ゴルフインパクト

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