現在開催中の米女子ツアー「ロッテ選手権」の初日が終了した。米女子ツアーを主戦場とする畑岡奈紗や、海外遠征中の渋野日向子、そして笹生優花と注目選手たちが参戦した今大会。初日の日本勢のプレーぶりはどうだった?プロゴルファー・中村修がレポート!

持ち前の飛距離と精度で首位タイに立った笹生

米女子ツアー「ロッテ選手権」の初日、日本から参戦する笹生優花選手がトータル8アンダーでトップタイと素晴らしいスタートを切りました。

開催コースであるハワイのカポレイGCは、フェアウェイが広くてアップダウンもあまりなく、ラフも深めではありません。罠として大きな池がいくつか配置されていますし、風次第で非常に難しくなるコースですが、笹生選手の持ち前の飛距離によるアドバンテージが十分に活かせるコースです。

実際に笹生選手の初日のスタッツを見てみると、ドライバーの平均飛距離は285ヤード、フェアウェイキープ率も約71.4%と高い水準です。

ドライバーも良かったですが、アイアンもキレていましたね。パーオン率は約94.4%、パーオンしなかったのは18ホールで1ホールだけ。なにより、バーディチャンスを量産しながらハワイ特有のバミューダグリーンにもしっかり対応していた部分が8バーディノーボギーというビッグスコアを生み出す要因でした。

今大会はスポンサー推薦で出場した笹生選手ですが、つかんだチャンスをしっかり活かしてきましたね。ラウンド後のインタビューでは「(米女子ツアーは)やっぱり最高峰の舞台で、私もそこで戦いたい」と、流暢な英語で受け答えをしていたのが印象的でした。

2週前の海外メジャー「ANAインスピレーション」の際にも「とくに何か変えることなく、いつも通りで臨みたい」と話していましたが、海外のフィールドにも臆する様子がなく、雰囲気に馴染みつつあるなと感じました。

渋野、畑岡はどうだった?

ロッテ選手権には畑岡奈紗選手も出場。初日はトータル1アンダー65位タイでフィニッシュです。ANAインスピレーションではショットの調子が芳しくなかったですが、流石の修正力。大きく変えた部分は見受けられませんでしたが、ショットの調子は確実に上がっていますね。

今日はパットが思うようにいかずスコアを伸ばしきれませんでしたが、2日目以降もどんどん調子を上げてくるのではと思います。

そして渋野日向子選手も、ANAインスピレーションに続いて今大会に参戦。初日を終えてトータル4アンダー14位タイにつけています。

画像: 渋野日向子はトータル4アンダー14位タイでロッテ選手権初日を終えた(写真/増田高寛)

渋野日向子はトータル4アンダー14位タイでロッテ選手権初日を終えた(写真/増田高寛)

観戦して感じたのは、ショットが非常に安定していた点。ANAではややインサイドアウト軌道が強かったのですが、それが抑えられてきたように見えました。

現地では午後から風が強くなってきましたが、しっかり対応してフェアウェイキープ率は約85.7%。ドライバーも平均263ヤード飛んでいます。縦の距離感も良くなってきていて、パーオン率はなんと100%です。非常に落ち着いて良い雰囲気でゴルフをしているな、という印象でしたね。

渋野選手はトップと4打差、2日目以降のプレー次第では優勝争いも十分あり得る位置。そして笹生選手がこのままスコアを伸ばし切り、米女子ツアー初優勝を手にできるのかにも注目していきたいところ。2日目もますます楽しみですね。

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