主催者推薦での出場のチャンスを得た笹生は「スポンサーに感謝です。いつかプレーしたいと思っている夢のLPGAツアーでこうして他の選手たちのプレーを見て学ぶことができるのですから」と謙虚に語っていたが、いざ試合がはじまるとバーディが止まらない。
「ドライバーの調子がすごく良かったです。全体的に安定していていいところでパットも決まってくれてラッキーだったと思います」

米女子ツアー「ロッテ選手権」2日目を終えて、トータル16アンダーで段毒首位に立つ笹生優花(写真/増田高寛)
「ハワイははじめてだけれどフィリピン(笹生はフィリピンと日本の両国籍を持つ)に似ている気がします。フィリピンの方がもっとあったかいし風も穏やか。ハワイは風が強いですね。正直風のなかのプレーはあまり得意じゃないんです。でも今日はなぜかうまくいきました」と初日『64』の好発進を振り返った笹生。
2日目はさらに強い風が吹く午後スタート。それでも18ホール中16ホールでパーオン。28パットで収めて9バーディ(1ボギー)を量産。ドライビングディスタンスは279ヤードと圧巻の数字を叩き出した。
7番から4連続バーディの猛攻を見せたが「バーディが続いても別に何も思いませんでした。次のショットに集中することだけを考えていたから。バーディの余韻に浸らずリセットして次に行こうと…」というから頼もしい。
2日目を終えて単独トップに立ったことについても「残り2日ありますから。昨日もいいましたけれど風のなかでのプレーはあまり得意ではないので、気を引き締めて臨みたい。明日もベストを尽くすだけです」。
じつは笹生、マスターズの最終日の前に父に「松山さんが勝つってずっといってました」と快挙を予言していたという。直接面識はないものの2019年にオーガスタナショナル女子アマに出場したとき、金谷拓実と一緒に練習する松山を目撃したのだとか。そのときはあまりの強烈なオーラに「近寄れなかった」というが、普段は現役時代松山以上のオーラを放っていたジャンボ尾崎の指導を仰いでいる。
アジア勢初のマスターズチャンピオンに輝いた松山に刺激を受けた笹生が残り2日、自分のプレーをして先頭でゴールを駆け抜ければ、19歳にして夢のLPGAツアーフル参戦が現実のものとなる。いずれは世界ナンバー1。笹生のポテンシャルは果てしない。