古江彩佳がいよいよ復調の兆し
2016年に発生した熊本地震追悼セレモニー後にスタートした「KKT杯バンテリンレディス」。地元熊本の笠りつ子選手が4アンダーはトップと1打差の4位タイスタートと気を吐きました。
そして「ヤマハレディースオープン葛城」で2位となった19歳の山下美夢有選手、佐伯美貴プロに師事する沖せいら選手、そしてプラチナ世代で昨年大活躍した古江彩佳選手が5アンダーで首位に並びます。その中で古江彩佳選手のプレーに注目しました。
昨年3勝を挙げ、目下賞金ランキング2位(4月16日現在)につける古江選手ですが、2021年は開幕から6試合を戦って前週開催の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」の8位タイが最高順位でした。
中継や会場でプレーを見ていても、今ひとつ波に乗れないもどかしさを感じていました。ティショットの不調から流れが作れていなかったようですが、ラウンド後の会見で本人はオフに何か変えようとしたわけではないと話します。

21年開幕後初の首位スタートを5バーディノーボギーで初日を終えた古江彩佳(写真は2021年のKKT杯バンテリンレディス 写真/岡沢裕行)
「悪くなっているのが徐々に悪化していった。少し悪いところをすぐに直せば細かい直しで効くと思いますがそれが段々と広がっていった感じです」(古江彩佳)
復調のきっかけは、先週のイーグル(最終日の5番パー5)や、昨年のデサントレディース、伊藤園レディスで優勝した際の動画を見て良かったときのイメージをつけたこと。古江選手の持ち味はショットの安定感、繊細なアプローチ、そして何より楽しみながらプレーするところですが、今日の5バーディノーボギーのラウンドでは昨年の強かった古江選手が戻ってきているな、と感じました。今後はどんどん上位に顔を出してくるのではないでしょうか。
そしてもう一人、初日を3アンダー7位タイでフィニッシュした吉田優利選手にも注目しました。2018年に「日本ジュニア」と「日本アマ」のタイトルを手にした逸材で、古江選手と同じ2000年度生まれのプラチナ世代のプレーヤーで、上田桃子選手や小祝さくら選手と同じ辻村明志コーチに師事しています。
2019年には調子が悪くてもパープレー前後で上がって来れるゴルフ力の高さをいかすため、1年間戦える体力とスウィング面の修正点を3年計画で進めていると聞きましたが、3年計画の3年目に当たる2021年の今年ブレイクしそうなプレーぶりでした。今週キャディを務めるベテランの先崎洋之キャディにひと言コメントをもらいました。

首位と2打差の3アンダーで好スタートを切った吉田優利(写真は2021年のKKT杯バンテリンレディス 写真/岡沢裕行)
「狭いホールでもドライバーで打てていましたし、攻撃的に行けるところが吉田選手のいいところです。それが爆発力にもつながりますから」(先崎キャディ)
たしかにグリーンの端に切られたピンに対しても果敢に打てていましたし、スウィングもインパクトで合わせずにしっかり振れていました。上位陣を見ると一筋縄ではいかないとは思いますがこの調子で優勝争いに加わって欲しいところです。
2021年好調な小祝さくら選手、山下美夢有選手、高橋彩華選手と、復調して来た古江選手、3年計画の3年目を迎えた吉田優利選手、地元の笠りつ子選手など明日以降大いにトーナメントを盛り上げてくれそうです。楽しみな週末になりそうです。