21年国内男子開幕戦、東建ホームメイトカップでルーキーの金谷拓実が優勝した。東北福祉大の先輩、松山英樹のマスターズ制覇に刺激を受け2歳年下のアマチュア、中島啓太の追撃を振り切っての勝利に「松山さんに報告したい」と声を弾ませた。ゴルフライター・川野美佳がレポート!

大会2日目に出場者の新型コロナウィルス感染が発覚し3日目は中止。協議の末最終日18ホールを行うことになり54ホールでの決着となった。

2日目に単独トップに立った金谷は最終日、苦しみながらもリードを守り僅差(1打差)で昨年のダンロップフェニックスに続き2020-21シーズン2勝目、アマチュア時代を含めると3勝目を挙げた。

画像: 国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」を制した金谷拓実(撮影/有原裕晶)

国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」を制した金谷拓実(撮影/有原裕晶)

松山の足跡を踏襲しアジアパシフィックアマに優勝しマスターズに出場。アマチュアでプロの試合に勝って世界アマチュアランキング1位にも輝いた。それでも本人は「松山さんみたいにキレのある球を打てるわけでもない。スウィングもきれいじゃない。僕はエリートじゃありません」と謙遜する。

「エリートはやってることすべてがきれいに見える中島(啓太)くんみたいな人。僕はゴルフノートにいつも“泥臭く”って書いているんです。きれいにやろうとしてもダメなので泥臭くがテーマ」。

泥臭いという言葉のなかには最後まで諦めないという意味も込められている。「フェニックスで(優勝したとき)も諦めずにプレーしたから勝てたし、今回もそうです」

長いオフを経ていきなり勝った金谷の次なる目標は東京オリンピック出場だ。世界ランク上位2名に出場権が与えられ2枚ある切符のうち1枚はすでに松山のもの。2枚目を今平周吾と争う状況だがこの優勝で金谷が118位から76位に急浮上。今平(96位)を抜いて日本人2位となり五輪出場が現実味を帯びてきた。

憧れの先輩・松山にも「一緒にオリンピックに行こう」といわれているのだとか。「松山さんは僕たちのロールモデル。あの人がいろいろ成し遂げてくれることで僕らにもできるんじゃないか、と思わせてくれる」。

大学時代は「松山はこうだった、ああだった」という監督の言葉に耳を傾け「とにかくたくさん食べて体を大きくしました」と4年間で12、3キロの増量に成功。松山にならって強靭な肉体を作ることで得意のパッティングの安定度を向上させた。

松山がマスターズに勝ったことで金谷も自分がグリーンジャケットに袖を通す日を思い描いたに違いない。いまはまだおぼろげだが最後まで諦めない男は泥臭く夢に向かって突き進む。

画像: 和田正義VSユージ!ドラコン対決、勝つのはどっちだ!? youtu.be

和田正義VSユージ!ドラコン対決、勝つのはどっちだ!?

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