地面から打つ番手の中でも“お助けクラブ”という位置づけのユーティリティ。「実はUTってネック内径のパターンが複数あって、それによって性能も変わってくるんです」というのは、業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。詳しく話を聞いてみよう。

ネック内径によって選べるシャフトの特性も変わる

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。前回ユーティリティ(以下UT)のシャフト選びのお話をしたのですが、今あるモデルをリシャフトする場合に気を付ける点はどこか!? というお問合せを複数頂いたので、ここでお話したいと思います。

UTはヘッドがウッド型とアイアン型に分けられます。文字通りそれぞれフェアウェイウッド、アイアンの特徴を色濃く持ち、それぞれのデメリットを軽減させたような設計になっているのですが、実はヘッド形状だけでなくその他にも違う点があるのです。それはネックの内径。

勘違いしないでいただきたいのは、すべてのモデルがヘッドタイプによってネック内径が分けられているわけではありません。メーカーが設計する段階でどういった性能を目指し、どういったシャフトを装着するかによって変わってくるようです。

画像: UTのネック内径は8.5ミリ、9.0ミリ、9.4ミリの3パターンが主。ネック内径の違いによって選べるシャフトの特性が変わり、性能も変化すると小倉は言う(撮影/かとう晶)

UTのネック内径は8.5ミリ、9.0ミリ、9.4ミリの3パターンが主。ネック内径の違いによって選べるシャフトの特性が変わり、性能も変化すると小倉は言う(撮影/かとう晶)

UTのネック内径は主に3タイプあります。ウッド系で主流の約8.5ミリ、アイアンで主流の約9.0 ミリ、そしてUT用に多い約9.4ミリです。この内径によってヘッドの性能が変わるわけではなく、装着されるシャフトによってその特性が変わります。

装着される側、つまりシャフトの先端側が細いほど先端側のしなりが大きくなるため、飛距離を追求する、ボールを上げるといった特性が持たせやすくなります。反対に先端側が太いとしなりを抑えやすく、当たり負けを防ぐ、方向性が出しやすくなるといった特性が持たせやすくなります。

そのため、ウッド系は細めのチップ径を採用することが多く、アイアン系は太めのチップ径になっていることが多いですね。UTはシャフトだけ見るとウッド系、アイアン系どちらのシャフトも流用できることが多く、なおかつ専用のシャフトもある非常に幅広い状態になっています。

説明が長くなってしまいましたが、UTは他のジャンルよりも、リシャフトする際に気を付ける点が多いです。フレックスや重さ、長さなど他のクラブとの流れに気を配るのは当然ですが、UT用のシャフトだからといってお使いのモデルのネック内径によってはお目当てのモデルがそのまま装着できないといったことも起こり得るのです。

もちろんシャフトメーカーもそういったケースを減らすために1モデルで複数のチップ径を用意するなどの対策をしていますし、接着方法に工夫をすることによって内径が合わないモデルでも装着できることもあります。UTのリシャフトを検討する際は、シャフトを購入する前にリシャフトしてもらう工房などに装着可能かどうか確認すると良いでしょう。

UTは自分に合ったスペックを作るのは大変ですが、こだわるほど自分好みの味の濃いクラブを作ることができるとも言えます。私もUTのシャフト選びは苦労しましたが、ウッド型UT、アイアン型UTをそれぞれ1本ずつ作ってとっても重宝していますよ。

画像: 和田正義VSユージ!ドラコン対決、勝つのはどっちだ!? youtu.be

和田正義VSユージ!ドラコン対決、勝つのはどっちだ!?

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