昨年「日本女子オープン」と「ツアーチャンピオンシップリコーカップ」の2つの国内メジャーを制した原英莉花選手。昨年末の「全米女子オープン」での予選落ちの経験から、海外向けのクラブセッティングを模索しながら2021年の開幕を迎えました。
アイアンのバウンス形状やシャフトなど、なかなかセッティングが決まらない中で渡米前週の「アクサレディスゴルフトーナメント」では優勝争いの末3位タイ。「ANAインスピレーション」では硬く芝目のあるグリーンに手こずり予選落ちに終わりましたが、打ちのめされるほど強くなって戻ってくる原選手なので、今週のプレーを楽しみにしています。
女子ツアーでは、2021年になって全試合ではありませんが飛距離の計測が再開されています。原選手のデータを見ると、256.33ヤードで2位。相変わらず飛んでいます。パーオン率も11位と高く、ショット力の高さを示しています。
彼女のスウィングを見てみると軌道に対してフェースがスクェアである距離が長いことがわかります。ためしに、インパクト時のシャフトのラインに赤線を引いてみると、ダウンからインパクト、フォローにかけて、その面の上をクラブが動いていることが確認できます。
そしてダウンスウィングで、クラブが地面と平行になった位置からフェースの向きがボールを向きながら下りて来ている点にも注目です(画像左)。さらに、画像右のインパクト直後の画像でもフェースの向きは軌道に対してスクェアをキープしています。
後方から見て、インパクト後にもグリップエンドが見えないこととも関係しているのですが、これはフェースターンが急激に行われていないことを示します。右手の角度がキープされたまま、体の回転で左に振り抜けているといます。
フェースターンを抑えた、方向性のいいスウィングでありながら距離も出る。これが原選手ならではの、海外にも通用するスウィングの魅力です。
国内復帰戦に対して「難コース川奈に意欲満点です」と話してくれた原選手。2週間の隔離期間もありましたので、試合勘といった点で不安はあるかと思いますが、徐々に調子を上げていってくれることでしょう。海外挑戦で多くを学び強くなって戻ってくる原選手が見られることを期待します。