低スピンでやさしく飛ばす「エピックマックス」
まずはエピックマックスの5番ウッド(ロフトは18度)から試打を始めた二人。AIが番手別に設計した「フラッシュフェースSS21」やフェースのたわみ量を最大化させる2本の柱の構造を、AIの解析と設計でさらにブラッシュアップさせた「ジェイルブレイクAIベロシティブレードテクノロジー」が搭載されている点は後述するエピックスピードと同様。
そんな2モデルの中でもエピックマックスに関しては高打ち出しかつ低スピンのショットをやさしく打てるドローバイアス設計になっているとのことだが、まずは構えた印象から聞いてみよう。
「アドレスしてみるとすごくシャローに見えます。ボールを拾ってくれる感じがヘッドから伝わってきますね」(堀口)
中村も「つかまる感じのかなり薄いフェースで、球を拾って上げてくれそうな感じ」という。ではさっそく両者の試打結果を見てみよう。
【堀口のエピックマックスFW5番(18度)の試打結果】
HS41.8m/s キャリー230ヤード トータル255.3ヤード 打ち出し角13.2度 ボール初速62.2m/s スピン量2379.3回転
【中村のエピックマックスFW5番(18度)の試打結果】
HS42.2m/s キャリー232.7ヤード トータル258.3ヤード 打ち出し角14.1度 ボール初速62.9m/s スピン量2592.7回転
「ブラッシュアップした新たなジェイルブレイクテクノロジーのおかげもあるのか、打感は柔らかめで、打音からもそれは感じられます。かなり低スピンなんですけど、しっかり球は上げてくれていて平均で255.3ヤードも飛んでいます。曲がり幅も少ないし、この飛距離性能にはちょっと驚きました」(堀口)
中村も「5番ウッドで3番ウッド並みの距離が出ています」と驚く。
「スピン量が少ないから、いくらでも飛びそうな感じですね。打感についても2年前の前モデル『エピックフラッシュ』シリーズの硬めの打感から方向転換して、柔らかくなっていたのが印象的です」(中村)
操作性も備えた「エピックスピード」
対するエピックスピードの5番ウッド(ロフトは5番で18度)はどうだろう。搭載されたテクノロジーは基本的にエピックマックスと同様だが、エピックスピードに関しては、より低重心かつ浅重心になっている。構えた印象はどうだろう。
「マックスに比べて小ぶりですね。締まった見た目で、フェースの高さもマックスより高くてディープな感じ。でもそこまで難しさは感じないかな、といった印象です」(堀口)
中村も「かなりコンパクトで、少しフラットにも見えます。フェースもエピックマックスに比べて少し厚めですね」と兄弟モデルの差を分析。そして両者の試打結果は以下のようになった。
【堀口のエピックスピードFW5番(18度)の試打結果】
HS41.0m/s キャリー220.3ヤード トータル238.7ヤード 打ち出し角12.6度 ボール初速60.1m/s スピン量3106.7回転
【中村のエピックスピードFW5番(18度)の試打結果】
HS42.0m/s キャリー226.7ヤード トータル243.3ヤード 打ち出し角13.1度 ボール初速62.5m/s スピン量3499.7回転
「打感はエピックマックスと同じく柔らかめですが、エピックスピードのほうが、よりしっかり吸い付いて重いボールを打ち出してくれる感触が強いです。試打データから読みとれる最大の違いはスピン量で、エピックスピードのほうが多めですね。そのぶん飛距離ではエピックマックスに軍配が上がりますが、コントロール性能はエピックスピードのほうが高そうですね」(堀口)
さて、2モデルを試打した両名がエピックシリーズのFW、とくにエピックマックスの低スピン性能と圧倒的な飛びに対して「突然変異的な進化」と形容する。
「前モデルと比較して、突然変異と言っていいくらいエピックマックスは異質な飛びです。同じくエピックシリーズ2021年モデルの『エピックマックスLS』もそうですが、キャロウェイは低スピンかつ高弾道の棒球を実現する方法に気づいた感じがありますね」(中村)
ではそんなエピックマックスとエピックスピード、それぞれどのようなゴルファーにオススメだろうか。
「エピックマックスはとにかくやさしく、それこそ5番ウッドで3番ウッド並みの飛距離を出せますので、FWが苦手な方は楽に飛ばせて相性が良さそうです。一方エピックスピードはある程度スピンが入ってくれるので、コントロールしやすくタテの距離感も合わせやすいのが強みと言えるでしょう」(堀口)
気になった方は、2人のプロの意見を参考に試打してみてはいかがだろう。
協力/PGST