米ツアーで唯一のチーム戦「チューリッヒクラシック・オブ・ニューオリンズ」でチャール・シュワーツェル&ルイス・ウーストハウゼンの南ア・メジャーチャンピオンコンビが1万人のギャラリーを湧かせ惜しくもプレーオフで敗れ2位に終わった裏で、母国の後輩がヨーロッパで躍動していた。
決勝ラウンドで63-63の好スコアをマークしたヒーゴが後続に3打差をつけ優勝を飾ったのだ。
耳慣れない名前だが昨年欧州ツアーデビューを飾ると参戦わずか7試合目のポルトガルオープンで初優勝。今年の序盤は予選落ちが続いたが、前週のオーストリアオープンでトップ5入りすると今回スペインでツアー2勝目を挙げ目下若手注目度ナンバー1なのである。
優勝争いの最中、終始落ち着いていたように見えが? と問われると「落ち着いているふりをしていたんだ。本当はすごく緊張していた。いまはまだ実感がないけれど開放感でいっぱい」と愛嬌のある笑顔を見せた21歳。
「優勝の秘訣? とにかく頑張ってハードワークに取り組んできたからね。ゴルフの調子が急に上がって自分でも驚いている」
99年ヨハネスブルグに生まれジュニア時代から頭角を表すと大学はアダム・スコットの出身校、ネバダ大学ラスベガス校に留学。ゴルフチームのエースとして活躍し2年で中退したあと2019年にプロ転向すると南アツアーで立て続けに優勝。翌年には欧州のレギュラーツアーに昇格した。
直近の世界ランクは110位だがこの勝利で70位台に上がる見込みで、来月行われる全米プロの出場をほぼ確定させた。これまでメジャー出場経験はなく初挑戦となるが「このまま良い流れに身を任せたい」と自然体で挑むつもりだ。
ゲーリー・プレーヤー、アーニー・エルス、シュワーツェル、ウーストハウゼンが守ってきた南アのメジャー列伝がウーストハウゼンの全英オープン制覇(10年)を最後にここ11年途切れている。
チャンピオン誕生が待たれるいまヒーゴは有力候補のひとり。華やかな雰囲気を持つレフティのメジャーデビュー戦に注目だ。