スウィングをいじるのと同じぐらい松山はクラブもいじる。同じドライバーを使っているように見えても、ヘッドが違っていたり、ヘッドの中に入れるジェルの位置が違っていたりする。マスターズの週になってもギリギリまで調整を重ねていたのだ。その松山の要求が微妙に変わったと語るのは、ダンロップの松山担当・宮野敏一氏だ。
「マスターズの週になると、松山プロのクラブへの注文がはっきりしていたんです。なぜこうしたいのかが明確で、本人が説明できるぐらいピンポイントな提案でした。今回のこの明確なオーダーを通して、松山プロの調子の良さを感じました」と言う。
調整後のヘッドを練習ラウンドで試し、そのドライバーで本番に挑んだのだった。
14本の中で唯一大きく変わったのはパター。松山といえば大のキャメロン党だが、オーガスタではソールの重りを替えられる新しいニューポート2に替わっていた。さらにグリップも、ラムキンのコード入りに。
「目澤コーチと話したうえで、右手が太くなるようなグリップを試そうとなりました。最初はラバータイプのグリップで、その後コード入りに替えました。コードにしたのは角が立っている感じが良かったのだと思います」(宮野氏)
【松山英樹の14本】
1W:スリクソン ZX5 (9.5度、ツアーADDI-8、45.25インチ、硬さTX)
3W:テーラーメイド SIM2 (15度、ツアーADDI-9、硬さTX)
UT:テーラーメイド SIM UDI (19度、エレベートツアー、硬さX100)
4I~PW:スリクソン Zフォージド (ダイナミックゴールドS400)
52度:クリーブランド RTX4 プロトタイプ(ダイナミックゴールドS400)
56、60度:クリーブランド RTX4 プロトタイプ(ダイナミックゴールドX100)
PUTTER:スコッティ・キャメロン セレクトニューポート2 プロトタイプ
ボール:スリクソンZ-STAR XV
※クラブの写真は2021年3月17日に撮影
週刊ゴルフダイジェスト5/11・18号「pro's spec」より。