国内外・プロアマを問わず、多くのゴルファーに愛されるタイトリストの「プロV1」シリーズ。11代目となる2021年モデルも前モデル同様「プロV1」、そして「プロV1x」の2モデルをラインナップされている。
どちらのモデルもソフトな打感を持っているが、そのなかでも柔らかさを重視しているのがプロV1。一方のプロV1xは、プロV1と比較するとやや硬めの打感という性格付けがこれまでのモデルではなされていたが、2021年モデルではどのような進化を遂げたのか。
プロゴルファー・堀口宜篤にドライバー、7番アイアン、ウェッジでそれぞれ試打してもらおう。なお、試打で使用したクラブはテーラーメイド「SIMグローレドライバー」(10.5度)、ミウラゴルフ「TC-201アイアン」(7番、33度)、タイトリスト「ボーケイ SM8ウェッジ」(58度、Sグラインド)の3本となっている。
さっそくドライバーで5球打ったデータの平均値から見ていこう。
【プロV1のドライバー試打結果】
HS42.7m/s キャリー241ヤード トータル262ヤード 打ち出し角15.8度 ボール初速64m/s スピン量2625回転
【プロV1xのドライバー試打結果】
HS43m/s キャリー239ヤード トータル261ヤード 打ち出し角14.2度 ボール初速64.4m/s スピン量2680回転
どちらのモデルもデータ上では大きな際は見られなかったが、やはり打ち心地は異なるよう。堀口は「プロV1はやはり柔らかい打感が持ち味ですね。対してプロV1xのほうはちょっとシャキッとした感じで、弾きもあるぶん叩いていける印象です」(堀口、以下同)
堀口自身は2019年モデルのプロV1xユーザーだったというが、打感のシャープさは「2019年モデルよりも増していると思います」と語る。では続いて、7番アイアンで打ってみるとどうだろう。試打結果を見てみよう。
【プロV1の7番アイアン試打結果】
HS34.6m/s キャリー158ヤード トータル168ヤード 打ち出し角18.2度 ボール初速49.2m/s スピン量4925回転
【プロV1xの7番アイアン試打結果】
HS35.4m/s キャリー164ヤード トータル172ヤード 打ち出し角17.6度 ボール初速50.2m/s スピン量5414回転
「アイアンでもやはりプロV1は柔らかいですね。フェースに吸い付いている感じがあって、打っていてとても気持ち良いです。プロV1xもドライバーと同様に、比較的硬さを感じられる打感ですね。データ的にはプロV1xの方が約500回転ほどスピンがかかっていて、弾道はプロV1が中弾道、プロV1xがやや高弾道で打てました」
最後は58度のウェッジで打ち比べ。ショートゲーム性能はいかほどか、それぞれ試打結果は以下のようになった。
【堀口のプロV1の58度ウェッジ試打結果】
HS25.3m/s キャリー65ヤード トータル75ヤード 打ち出し角29.2度 ボール初速27.7m/s スピン量6121回転
【堀口のプロV1xの58度ウェッジ試打結果】
HS26.4m/s キャリー65ヤード トータル69ヤード 打ち出し31.9角度 ボール初速27.3m/s スピン量6150回転
「2019年モデルではプロV1xのほうがショートゲームのスピン量が高かったイメージですが、最新モデルではほぼ横並びと言って良い感じですね。打感に関してはドライバー、アイアンと同じくプロV1が吸い付くような柔らかさを持っているのに対し、プロV1xはやや弾きがある印象です」
さて、2モデルの比較試打を受けて「個人的に使うならどちら?」と堀口に問いを投げかけると、選んだのはやはり手になじんだ“エース”であるプロV1x。しかし、「正直どちらも良くて、本当にゴルファーそれぞれの好みによって変わるかなと思います」と言う。
「僕がプロV1xを選んだのは、柔らかさの中にシャキッとした感触のある打感が好きだから。これに尽きますね。逆に言えば、とことん柔らかい打感のボールが好みならプロV1を選ぶと良いでしょう」
堀口も「正直、打感の好みで選んで良い」と言うくらいどちらも甲乙つけがたい性能を持つ2モデルだが、性能面で差異が出た部分を指摘するなら7番アイアンでプロV1が中弾道の飛びだったのに対し、プロV1xは高弾道かつスピン量もやや多かった点。
「ドライバーでは弾道、スピン量にはあまり差を感じなかったので、どちらの打感も好みだという方は、ご自身でアイアンで試打した際に、より自分の理想的な弾道に近いほうを選ぶというのもアリですね」と堀口。プロV1とプロV1xのどちらを選ぶか迷っているならば、参考にしてみては?
協力/PGST