木曜日の初日が荒天のために中止となって、54ホールに短縮された第61回中日クラウンズ。試合後の表彰式、大会会長から挨拶で、短縮となったのは中日クラウンズ史上初めてとの話。60回もやっていて、競技短縮した年がなかったことに驚きです。
名古屋ゴルフ倶楽部和合コースを歩くと、そこここにジャンボ尾崎や青木功、中嶋常幸や杉原輝雄の気配を感じます。アプローチ練習場や、ドライビングレンジの下段にそうしたレジェンドたちがいるような。
初めてこの大会に来てから30数年、たくさんの記憶が折り重なってコースに漂っています。 所により雨がぱらつくかもしれない天気予報の最終日。気温は前日より5度くらい下がりそう。 7時50分に今年はアウトインに別れてのスタートで最終組は9時40分スタート。最初の組と最終組のストローク差は6打で逆転可能な差です。
また、裏街道のインスタートにも同じ6打差の選手がいます。で、そのインのトップスタート6打差にいるのが今平周吾。注視せねば。
1番と2番ホールでアウトスタートの早い組を撮りながら最終組(高山忠洋、宋永漢、浅地洋佑)を待って、3番から最終組について行きます。3番4番と撮って行きますが、なんだか最終組の3人に勢いが感じられません。もちろん選手は懸命にプレーしているし、まだまだ序盤です。ですが、勢いがここで感じられないと、このストローク差で最終組をフォローし続けるのは危険です。
スマホの速報を見ると岩田寛が2打伸ばして7アンダー。急ぎこの組に向かうと、岩田はさらに伸ばしていて9アンダーでトップに立っています。 この大会は、今年の男子ツアーで初めてキャリングボードが各組に付いていて、その組のスコアがすぐに判ります。
先週まではスマホの速報頼りで、目の前の選手のスコアが判然としないもどかしさがありましたが、今週は立ち止まってのスマホの速報チェックの頻度が劇的に減って大助かりです。そんなことにも助けられてアウトは行きつ戻りつ撮って行きます。
案の定、今平周吾が伸ばしてきました。3バーディの4アンダーです。ただ優勝を窺うには厳しいかな。 最終組よりひとつ前の片山晋呉、宮本勝昌の同級生対決が熱くなってきました。予選ラウンドも同組だったので、今日で3日続けてのラウンドです。宮本がアウトを終えて9アンダー、片山7アンダー。
今週、片山のキャディを務めるのは江連忠。練習日、練習場での江連キャディの「晋呉のゴルフは下手になりようがないね」との言葉は、江連の片山に対する最大の評価と聞こえました。 前大会覇者の宮本とクラウンズ2勝の片山。共に和合コースを制している2人。徐々に宮本が伸ばし出して片山もそれを追いかけます。
10番を終えて宮本10アンダーで片山はスタート時と同じ7アンダー。 アウトトップスタートの秋吉翔太が6アンダーまで伸ばしてきましたが、優勝には届きそうもないので追いません。最終組のスコアが伸びない。バックナインのレースは岩田がリードして宮本が追う展開です。
その岩田は15番パー5をパーで終え、いよいよ残り3ホール。16番はワンオン可能な左ドッグレッグの打ち下ろしパー4。17番は幾多の名場面を生んだ池越えパー3。そしてフェアウェイ左のバンカーが怖い18番パー4。この3ホールをどう戦うか。
16番ティショットは3Wでフェアウェイに運びました。セカンドはウェッジかな、ピン左にオン。けっこう近い。それを沈めてバーディで12アンダーに。 17番ティショットはアイアン。グリーンオンはしたもののピン手前左で距離はありますね。で、2パットのパー。 18番1Wのティショットは右ラフへ。セカンドはショートアイアンかな、それを撮り終えると急ぎグリーンへ向かいますが、あれ、ボールがない。で、グリーン奥へ回り込むとそこにありました。
グリーン奥からのアプローチが第3打です。そのアプローチを見事ピンに寄せて勝負を決めました。 もうひとつのドラマは優勝には届かなかった最終組の高山忠洋。公傷明けで限られた試合数のなか、シードがかかっていた最終のバーディパット。入れて2位タイならシード確定なれど残念。次戦に持ち越しです。
コロナ影響がまだまだ続く中、感染のリスクを極力下げながらのゴルフツアーです。今大会も陽性者が出ました。我々裏方も決して他人事ではありません。マスクを付けての撮影にもだいぶ慣れてきた中日クラウンズでした。