女子ツアーのメジャー「サロンパスカップ」初日、小祝さくら、古江彩佳、稲見萌寧の3選手が同じ組でプレーするという豪華ペアリングが実現しました。現時点での賞金ランク1~3位の現状をチェックすべく、スタートから18ホールついて歩いてきましたので、レポートします。
結果を先に書けば、小祝選手が3オーバー85位タイと出遅れ、古江選手はイーブンパー31位タイ、稲見選手は1アンダー15位タイとまずまずのスタートを切っています。
小祝選手がつまずいたのはINスタートの前半、イーブンで迎えた17番のパー3。パーパットがカップに蹴られると、まさかまさかの5パットでトリプルボギーとしてしまいます。さらに続く18番ホールではティショットを左に曲げてダブルボギー。
しかし、そのままで終わらないのがさすが賞金レーストップを走る小祝選手。後半は6番までに3つバーディを重ね、2オーバーまでスコアを戻し、最終的には3オーバーでホールアウト。
大会前に辻村明志コーチに話を聞きましたが、先週上半身に力が入っていたことに気が付き、そこを修正したことで調子は上向きとのこと。OBもありましたがショットの調子は悪くなく、明日以降の巻き返しに期待です。
続いては賞金ランク2位の古江選手のプレーですが、相変わらず一定のリズムから放たれるショットには安定感があり、ドローボールを風に乗せてピン方向に運んで見せたりとマネジメントも秀逸。
ショットの調子が良かっただけに、イーブンパーはちょっと悔しいと会見で話していましたが、やはり思ったよりもパットが決まらなかった印象です。9番パー5ではバーディチャンスにつけながら3パットしてしまうなど、もったいないボギーもありました。
ここ4試合連続トップ10と昨年の好調ぶりが戻ってきている古江選手も、爆発する気配を秘めています。
賞金ランク3位、2021年はなんと4勝と絶好調の稲見選手は「ちょっと悩みながら打っているところもある」とこぼしながらも1アンダーはさすが。スウィングには違和感があるようですが、その割には端に切られたピンに対して正確に打っていけていますし、バーディパットも打てています。プレーを見る限り、好調をキープしているのではないかと思いました。
さて、初日を終えてリーダーボードの上位には3名とも名前がありませんが、やはり賞金レーストップを争う3人のプレーは見事。縦の距離感、横の方向性の安定感が3人とも本当に揃っていて、まるで秋口の賞金女王争いの大詰めを見ているようです。
考えてみるとこの試合は2020-2021シーズンの24試合目。24試合を戦って上に来ている選手たちですから、その実力・好調ぶりは折り紙つきです。ハイレベルな女子ツアーを象徴するような、3選手のプレーぶりでした。
試合は6アンダーで笠りつ子選手がリードし、先週プレーオフの末敗れた大里桃子選手が1打差で追っています。そして、同期の山下美夢有選手に初優勝の先を越されるかたちとなった西郷真央選手が菊地絵理香選手と並んで3位タイにいます。上位には鈴木愛、シン・ジエ、比嘉真美子といった実力者も顔を覗かせて、メジャーらしいリーダーボードを形成しています。
すでに述べた12フィートの高速グリーンだけでなく、60ミリの元気のいいラフも選手たちを苦しめます。ラフを避けてフェアウェイをキープし、そこから正確にグリーンをとらえて、なおかつ高速グリーンも制する必要がある。
ゴルフの総合力とプレーの勢い、両方を問われる4日間となりそうです。明日以降の選手たちのプレーも、楽しみに見守りたいと思います。