充填剤で打感を良くしたマッスル風中空アイアン
中空構造アイアンと言えば寛容性はあるが、ブレードが分厚くて打感が硬い……なんてイメージはもはや過去の話。2020年発売のテーラーメイド「P770」や2021年に登場したニューモデル、キャロウェイ「APEXプロ」をはじめ、近年はマッスルバックのようなシャープな見た目を備えつつ、充填剤を内部に入れることで打感も柔らかい、というモデルが多く登場している。
そのなかでも、シャープな見た目を備えつつ7番でロフト30度と“ちょい飛び”系のロフト設定になっているのが、本間ゴルフ「TR21Xアイアン」。内部に充填剤を入れて打感を良くし、タングステンウェートをソール後方に内蔵し深・低重心化。ミスへの寛容性も向上。そのうえで高反発フェースを採用し飛距離性能も高めているというわけだ。
「見た目については、マッスルバックやハーフキャビティをわずかに大きくしただけ、という感じで違和感がありませんね。少しグースが入っていますが、真っ平なフェース面がバシッと見えるので目標に対して構えやすいです」(中村)
堀口も「すごくスッキリしていて、縦長な感じはあります。トウ側のシェイプが本間らしいですね」と評価。
TR21Xを打ってみた
では両者の試打結果を見てみよう。TR21Xの7番と純正カーボン「VIZARD TR20-65」のSフレックスシャフトの組み合わせで3球試打した結果の平均値を見てみよう。
【堀口のTR21Xアイアン7番の試打結果】
HS38.1m/s キャリー175.3ヤード トータル186.3ヤード 打ち出し角16.4度 ボール初速52.8m/s スピン量4624回転
【中村のTR21Xアイアン7番の試打結果】
HS38.5m/s キャリー173.3ヤード トータル183.3ヤード 打ち出し角16.7度 ボール初速52.1m/s スピン量4712回転
「充填剤のおかげもあって打感が柔らかいですね。真芯でとらえるとしっかり飛びますし、ズレたときでもそんなに飛距離を落とさずに打てます。実際、下目のヒットでもしっかり飛んでいまし、ボールも上がってくれます」(堀口)
中村も打感の良さを評価。「反発はある程度あるはずなのですが、充填剤のおかげで打感はマイルド。もちろんマッスルバックほど手に伝わってくる感触は多くないですが、十分柔らかいですし、飛距離性能、芯の広さも両立できているなという印象です」という。
純正カーボンシャフトに関しても「走り感がありつつもある程度しっかりしていて頼りない、ということはないです。ドライバーでのヘッドスピードが45m/sくらいの方が打っても十分耐えてくれそうです」と中村。
いわゆるプロモデル的なシャープさはありながらも、中空構造らしい寛容性やテクノロジーによる飛距離性能、そして30度というストロング設定も相まって「打ち込む必要がなく、力まずに打てるのが良いところです。それなりのソール幅があるから滑ってくれますよ」と中村はまとめる。
では最後に、どんなゴルファーにTR21Xはオススメなのか聞いてみよう。
「見た目のカッコ良さ、打感の良さにこだわりつつも、今よりもう少し飛ばしたいというゴルファー」(中村)
モノづくりには定評のある本間ゴルフの最新アイアン。一度試してみてはいかがだろうか。