シャープだけど走りも感じる「アッタスダァーッス」
まずはUSTマミヤのアッタスシリーズ12代目「アッタスダァーッス」から試打する両名。中元調子の設定で「ワッグルした感じは50グラム台Sフレックスと言えどしっかり感を手元に感じます」と堀口は言う。
さっそく両者の試打結果を見てみよう。なお、重量は50グラム台、Sフレックス、シャフト長は46インチのモデルを使用し、これは他3モデルでも統一。ヘッドはテーラーメイド「SIMマックス」のロフト10.5度モデルを使用した。
【堀口のアッタスダァーッスの試打結果】
HS43.9m/s キャリー242ヤード トータル267.3ヤード 打ち出し角13.4度 ボール初速64.2m/s スピン量2353回転
【中村のアッタスダァーッスの試打結果】
HS44.3m/s キャリー247.3ヤード トータル265.7ヤード 打ち出し角14.1度 ボール初速66.4m/s スピン量3244回転
「しっかり振っていってオッケーなシャフトですね。全体的に結構しっかり感がありますが、途中で走ってくれる感触もありました」(堀口)
中村も「シャープに来るシャフトですが、たしかに切り返しで若干しなりが入る感じがありますね」と言う。
「ある程度しっかりしながらも、しなってくれる感じもあるシャフトです。先端部も硬めでブレも少ないですね。シャフトの力で走らせたりつかまえたり、といったモデルではないのでしっかり振っていける方に合いそうです」(中村)
スタンダードな「スピーダーエボリューション7」
続いてはフジクラ「スピーダーエボリューション7」。こちらは先中調子の設定で「素振りした感じ、アッタスより少し走る感じがありますね」と堀口。試打結果は以下の通りとなった。
【堀口のスピーダーエボリューション7の試打結果】
HS42.7m/s キャリー232.3ヤード トータル258.3ヤード 打ち出し角14度 ボール初速62.1m/s スピン量2327.7回転
【中村のスピーダーエボリューション7の試打結果】
HS45m/s キャリー247.7ヤード トータル264.7ヤード 打ち出し角13.1度 ボール初速66.9m/s スピン量3384.7回転
「メーカーの設定通り、中間部から先辺りの部分がしなって走ってくれる感触がありました。かと言って変に走り過ぎず、適度にヘッドが走ってくれる感じで、弾道がまっすぐで安定していましたね」(堀口)
中村は「ガッツリというわけではないですが、少しつかまえてくれるような動きも入ってきますね。シャフトに迷ってる方はまずコレというくらい、コントロールしやすくてクセがなく、スタンダードなイメージです」と評価した。
走ってつかむ「ツアーAD HD」
続いて打ったのはグラファイトデザイン「ツアーAD HD」。中調子設定で“叩ける弾き系”とメーカーは性能を表現しているが、果たしてプロはどう評価するか。まずは試打結果から見ていこう。
【堀口のツアーAD HDの試打結果】
HS42m/s キャリー236.3ヤード トータル261.3ヤード 打ち出し角14.5度 ボール初速63m/s スピン量2284回転
【中村のツアーAD HDの試打結果】
HS44.6m/s キャリー249ヤード トータル272ヤード 打ち出し角14.8度 ボール初速65.6m/s スピン量2418.3回転
「ハーフウェイダウン辺りからインパクトにかけて、ヘッドが走ってくる感触がありましたね。走る感じは強いです。つかまったフェードを打つにはちょうど良さそうなシャフトだと感じました」(堀口)
中村もしなりの強さに関して堀口に同意。「同じSフレックスでも、他のモデルより少し柔らかく感じるかもしれませんね。そのぶん、切り返しでしなる感覚はつかみやすいと思います。しなりのポイントはどちらかと言えば先端側寄りですね」という。
さらに中村は、ツアーAD HDの低スピン性能にも注目。
「私の普段のスピン量は約3300回転なのですが、約1000回転減っています。スピンが多い方は試してみる価値があるかもしれませんね」(中村)
しっかり振れる「ディアマナTB」
最後は三菱ケミカル「ディアマナTB」。中元調子設定だが、「素振りした感じ、手元側もしっかり硬い感じがします」と堀口。両者の試打結果は以下のようになった。
【堀口のディアマナTBの試打結果】
HS44.1m/s キャリー238.7ヤード トータル271.7ヤード 打ち出し角12.3度 ボール初速64.9m/s スピン量1987.7回転
【中村のディアマナTBの試打結果】
HS44.3m/s キャリー246.7ヤード トータル266.5ヤード 打ち出し角14度 ボール初速67.5m/s スピン量2727回転
「パリッとしてて、スピン量が少ないですね。50グラム台Sフレックスとは思えないくらいしっかりしています。とくに手元側がしっかりしていて、早く切り返して、自分の力で振っていくタイプのスウィングにも負けないくらいです。“振れる”ゴルファーが気持ち良く打てるシャフトと言えそうです」(堀口)
中村も「インパクト直前でも先端部が(しならずに)アドレス時のままくる感じで、かなりしっかりしています。それもあってスピン量が少ないですね」と言う。「力を入れて打ってもしっかり応えてくれるし、走り過ぎません。これはさらにしっかりした5Xとか6Sも試したくなりますね」と評価した。
全4モデルの試打を終えた両名。それぞれ異なる特徴を持っていたが、すべてに共通して言えるのは「最新の大型ヘッドドライバーに合わせて先端部がしっかりしている点と、余計なねじれが少ないこと」だと中村。
「当たり負けするような感じはない。大型ヘッドでミスヒットしたときの悪い感じは極力抑えられている印象ですね」(中村)
また、「いずれのモデルも50グラム台Sフレックススペックで、ヘッドスピード45m/s前後で打っても頼りない感じはなかった」という。ではそれぞれどんなゴルファーにオススメなのか。堀口は「ご自身のヘッドとの組み合わせにもよりますが、この4モデルは大きく2種類に分類できると思います」という。
「しなりを感じながらゆったり振っていくスウィンガータイプは、エボ7、ツアーAD HD。一方、切り返しで一気にしならせて振っていくヒッタータイプはアッタスダァーッス、ディアマナTBがオススメ」(堀口)
その中でも4モデルの特徴をざっくり表すならば、もっともしなりが入って走るのがツアーAD HD。スタンダードな性能を持っているのがスピーダー エボリューション7で、しっかり感がありつつ少ししなりも入るのがアッタスダァーッス。ディアマナTBがもっともハードでしなりが少なく、そのぶん打ちこなすことができればスピン量も低く抑えられる仕上がりといったところだろうか。
両者の意見も参考にしつつ、スウィングの特性に合わせて実際に自身のヘッドと組み合わせて試打してみると良いだろう。
協力/PGST