とにかく「脱出」を優先しよう
ゴルフを始めたばかりのゴルファーにとって目標方向へ真っすぐボールを飛ばすのは難しい。とくにティショットを曲げて林のなかからセカンドショットを打つ機会は多いはず。そこからの脱出に2打、3打とかかってしまうと、120切りに黄色信号が点灯してしまう。
プロゴルファー・兼濱開人は「この状況で考えるべきことは『トラブル続き』を回避すること」だという。
「林に入ってしまったらどんなシチュエーションであっても、より高い確率で“戻れる”方法を選ぶことをオススメします」
たとえばグリーン方向が打てなくもない、という状況であったとしても、真横の空間になんの障害物もないのであれば、横に出すのが正解。グリーン方向を狙って木に当ててしまえば「トラブル続き」の状況になってしまうからだ。
「コースでは、自分が持っている技術だけでプレーするのがスコアメークで重要なポイントです。林の間を抜くとか、林の上を越えるといった低い確率ではなく、少しでも確率の高くなる方向をまず探してください」
その上で「脱出するときは“縦の距離感”に気をつけましょう」と兼濱は続ける。
「林から脱出するときに起こりやすいのはイメージよりボールが転がって反対側の林まで突き抜けていってしまうことです。これはプロでも起こり得ることですが、これもやはり『トラブル続き』の状況。当然極力避けたいわけですから『縦の距離感』を普段の練習から身につけておきましょう」
実際に、林の中から打つ機会が多い以上、「林の中からの脱出の練習」はしておいて損がない。
「まずは、自分の得意なクラブで30ヤードを打つ練習をしましょう。そのなかでキャリーが何ヤードでどのくらい転がったのか覚えておくといいと思います。そうやって自分のなかで基準ができていれば、反対側の林まで突き抜けてしまう……なんていうトラブルは避けられるはずですよ」
30ヤードといっても、グリーン周りでのアプローチに使うようなサンドウェッジやアプローチウェッジといったボールの上がりやすいクラブは、木の枝に当たる可能性が高いためいい選択肢ではない。
9番アイアン、7番アイアン、5番アイアンと枝に当たらないように低い球を打てるようなクラブのなかで得意なクラブを選ぶほうが最善だという。番手の数字が小さいほうが球が上がりにくく、小さい振り幅で脱出できるが、ヒットする難易度自体は番手の数字が大きいほうが低い。自分の技量や好みと相談して、最適な番手を探そう。
林のなかに入ってしまうのは仕方がないこと。そこからきっちり1打で脱出することができれば、傷口は最小限に止まり、120切りにも近づくはず。みなさんもぜひ参考にしてみてはいかがだろうか?