雨ゴルフでミスをしてしまうのは、「リズムの乱れ」に原因があると奥山は言う。
「雨が降っていると『濡れたくない』という意識が働きますし、ザーッという雨音のリズムにも意識をもっていかれます。すると、いつものよりもスウィングリズムが早くなってしまいがち。なので、雨ゴルフでは意識的にリズムをゆっくりすることが一番大事なことです」(奥山、以下同)
普段の生活でも急に雨が降った際には濡れないように小走りになったりするものだが、それはゴルフでも同じこと。さらに雨が降っていると雨に濡れたグリップを拭いたり、レインウェアを着ていたりといつもよりやることが増えるため必然的に“焦り”が出てきてしまう。それがスウィングリズムを早めることにつながり、そのリズムの乱れがミスを呼んでしまうというわけだ。
このリズムの乱れは意識してそうしているわけではない点が困ったところ。ゆっくりとしたリズムを意識する上で重要となるのが「晴れているときと同じ感覚で振ろうとしないこと」だという。
「レインウェアを着ている分、クラブは振りにくくなります。それを補うために、いつも以上に腕を振ってしまうゴルファーが多いんです。腕を振る=手打ちになりますし、リズムを早める原因ともなってしまいますから『レインウェアを着たらいつものように振れない』ということを頭に入れ、その上で、イチ、ニ、サンとリズムを声に出しながら素振りして、実際に打つときは心の中で唱えながら打つことがオススメです」
以上が、雨ゴルフで極力スウィングをいつもと同じ状態に近づけるための工夫。その上で、マネジメントも晴天時とは変える必要がある。具体的には、いつも以上に「キャリー」の意識が重要になるのだ。
「雨に濡れたフェアウェイやグリーンはボールが止まりやすいため、キャリー+ランのトータル飛距離で考えてしまうと『あれ? ショートしちゃった』『飛距離が出てないな』という状況になりやすいはずです。そのため、マネジメントはキャリーの距離を基準に行うことが重要です」
これは、普段の練習から自分のキャリーの距離を意識しておくことが重要。そして、ランが出ないことを考慮して、必要に応じて番手を上げることも必要となるだろう。
できれば晴れの日にゴルフはプレーしたいものだが、どうしても雨の日には当たるもの。雨にたたられた上にスコアも悪いでは気分は台無し。そうならないためにも、上に挙げた対策を覚えておこう!
取材協力/ゴルフガーデン椎の木