「全米オープン」の日本地区最終予選を首位で終え出場権を手にした石川遼。そのスウィングを「仕上がり具合に驚いた」というプロゴルファー・中村修が解説!

5月24日に開催された、全米オープンの日本地区最終予選は、ザ・ロイヤルゴルフGCの18ホールを1日に2ラウンドし、上位2名が出場権をゲットできるというタフな試合になりまた。

そこで躍動したのが石川遼選手。5アンダーの67を2ラウンド並べて10アンダーで終え、4アンダーを2ラウンド並べて2位になった浅地洋祐選手と、奇しくも杉並学院高校の先輩・後輩で出場権をつかみました。

私は、前日の23日に「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」の最終日に石川選手のプレーを現地で付いて歩き見ていましたので、結果を聞いて「今日はパットが入ったんだなと思いました」。前の日はパットに苦しみ、パットさえ普段通りに入っていればあるいは優勝まで手にしていたかもしれない、そんな内容だったからです。

「ゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」での石川選手の最終日のスコアは6アンダーの「64」で、トップと2打差の4位タイ。無論、ゴルフにタラレバはありませんが、もしパットが入っていたら50台のスコアが出てもおかしくありませんでした。それくらいショット、とくにアイアンショットがキレていたんです。私が付いていた14、5ホール中1ホールを除いて、すべてのホールで1ピン以内のバーディチャンスだったと思います。

画像: 全米オープン日本地区最終予選を勝ち上がり出場権を得た石川遼(写真は2021年のゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」 写真/姉崎正)

全米オープン日本地区最終予選を勝ち上がり出場権を得た石川遼(写真は2021年のゴルフパートナーPRO-AMトーナメント」 写真/姉崎正)

ティショットはラフにつかまるケースもありましたが、ラフからのショットがことごとくピンに絡み、そのほとんどが2メートル前後についていました。ラフからのスピン量の低下やランの割合を計算し、思い通りの弾道でピンを攻めるプレーを見てその仕上がりに驚きました。

プロアマトーナメントであったことで、グリーンのスピードや硬さ、距離、ラフの長さやピン位置などは、ほぼ一般営業に近いコースセッティングで、ツアープロがスコアを出せるのはむしろ当たり前。それにしてもアイアンショットのできは目を見張るものがあったんです。

画像: コンパクトでややフラットなトップから浅くシャロ―な入射角でボールに向かうダウンスウィング(写真は2021年のゴルフパートナーPRO-AMトーナメント 写真/姉崎正)

コンパクトでややフラットなトップから浅くシャロ―な入射角でボールに向かうダウンスウィング(写真は2021年のゴルフパートナーPRO-AMトーナメント 写真/姉崎正)

改善し続けているスウィングですが、テークバックの反動を極力使わずに、コンパクトでややフラットなトップから浅くシャローな入射角で非常に安定したインパクトを迎えていました。

体がさらに一回りサイズアップしたこともあり、コンパクトなトップからでも十分な飛距離を確保できているようでしたし、入射角が鋭角すぎないことでボールの浮いたラフからでも思い描いた通りの距離を打ち分けられていたのだと感じました。

画像: フェースの開閉度合いを少なくしボールをターゲット方向に押し込む時間も長くなっていること、入射角が安定したことで縦の距離感も安定している(写真は2021年のゴルフパートナーPRO-AMトーナメント)

フェースの開閉度合いを少なくしボールをターゲット方向に押し込む時間も長くなっていること、入射角が安定したことで縦の距離感も安定している(写真は2021年のゴルフパートナーPRO-AMトーナメント)

フェースの開閉の度合いを少なくし、インパクトでボールをターゲット方向に押し込む時間も長くなっていますし、入射角が安定したことで、スピン量、打出し角が安定し、縦の距離感も合ってきてると感じました。ドライバーを選択したホールでは、しっかりと飛距離も出ていますし、安定感も出てきているようです。

全米オープンのセッティングではとてもタフになることが予想されますので、その中で積み重ねてきたものが試されることになるでしょう。現時点の仕上がりで、どんなプレーを見せてくれるのか。見守りたいと思います。

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