OB連発で打っても打ってもティーイングエリアから抜け出せない……! そんな初心者ゴルファーたちがスムーズにプレーできるための日本特有のローカルルールがある。それは「前(まえ)4(または『プレ4』)」と呼ばれる特設ティからの打ち直し。
前4とは「前進4打」または「プレーイング4」のことで、通常、ティショットの落とし所付近に設定される。ティショットをOBにしてしまった場合、前4からのプレーを選択することができるのだ。
お助け措置である前4からさらに大きなミスをしてしまうと、スコアは目も当てられないことになる。それを防ぐには一体どうしたらいいのか? プロゴルファー・兼濱開人は「まずは特設ティ内で比較的打ちやすい場所を探し、打ちやすい状況にしてあげることが先決です」という。
「前4はフェアウェイ上にあることが多く、傾斜地であるというケースもありますからできるだけ“平らなライ”を探しましょう。また、しっかりとティアップして打ちやすい状況を作ってあげることも大切です。前4は目土だらけ、なんてことも多いですから」
ホールによって、フェアウェイは左右に傾斜していたり、馬の背になっていたり、すり鉢状になっていたりする。真っ平らなフェアウェイはむしろ珍しく、なにげなくボールを置いてしまうとスライスの出やすいつま先下がりだったりする。まずは地面が平らかどうかをチェックする必要があるのだ。
その上で、ティアップすることで心理的にラクになるのはもちろんのこと、芝生との接触面積が少なくなり、直接ボールにコンタクトしやすくなる。
さらに、「前4からは『パー3ゲーム』をはじめてみることがオススメ」と兼濱は続ける。
「前4から打つ場合はOBもしくは球を紛失してしまったあとで、後悔や焦り、不安などで頭がいっぱいのはず。だけど、今に集中できていなければ前4からの1打もミスしてしまう可能性が高まります。気持ちを切り替えて『今からパー3!』という感覚でプレーすることを勧めます」
そのうえで、「距離に応じて考え方やクラブを変えていきましょう」と兼濱はいう。
「たとえば、残り140ヤードだとします。それが得意な7番アイアンの距離であればパー3のティーイングエリアでティショットするように狙っていく。それに対して170ヤード以上と距離があれば、無理せず得意な距離を残すというマネジメントに切り替えていきましょう」
たとえば前4から200ヤードあるとしよう。これを1打で乗せるのは至難の業。だからこそ、たとえば140ヤード飛ぶ7番アイアンで打っておき、次はサンドウェッジのフルショットで狙う……そんな攻め方も視野に入れたい。
救済措置でありながら、意外とそこから大叩きしてしまうケースが多いのが「前4」だ。しっかりと対策をして、120切りへとつなげよう!