テーラーメイドの300シリーズといえば、2001年に「R300Ti」が発売され、一斉を風靡した名器と呼ばれるドライバー(R300Ti、R320Ti、R360Tiという体積違いが存在。いずれも今はルール適合外の“高反発”だった)。それが20年の時を経て蘇ったカタチだ。
USGAのリストにはソール面の画像が掲載されているが、そこからはこの20年間のドライバーの進化が見て取れる。まずネックには弾道調整機能。ソールのフェース面寄りには反発を高めるスピードポケットが見える。
画像からは見えないが、リストの説明文によれば、フェース面には曲がりを抑えるツイストフェースも採用されているようだ。また、ソールの最後部にはウェートビスが確認でき、深・低重心化に一役買っているように見える(ボディやクラウンにカーボンも採用されているかもしれない)。また、ロフト表記は11.5度と13.5度があるようだ。「300」という表記が昔と同様にヘッドサイズを表すものならば、当時のボディサイズに最新の技術を詰め込んでいる、そんな風にも見える。
この20年で、ドライバーは当時に比べて100cc以上大型化し、長尺化し、軽量化が進んだ。同時に、カーボンクラウンやカーボンボディ、異素材ウェートなどの複合が当たり前となり、慣性モーメントは巨大化。“他の12本”と比べて異質なクラブに進化したとはよく指摘されること。
それに対しこの「300ミニ」は、現時点では長さや重さなどの詳細がわからないけれども、当時の形状のまま進化したモデルとも言えそうで、最近の大型・軽量・長尺のドライバーがどうも上手く打てないというゴルファーの味方になってくれそうな気配。あえて番手表記をするならば、1.5番ウッドくらいの感じになるだろうか。
また、フィル・ミケルソンがテーラーメイドのミニドライバー「オリジナルワン」をバッグに入れ、ドライバー2本体制で全米プロをメジャー史上最年長で制覇したことも記憶に新しい。発売日や日本での発売の有無など詳細は不明だが、追い風が吹いているタイミングでのリストオンと言えそうだ。
300シリーズを知っている世代もそうでない世代にも話題になりそうな1本。公式なリリースを楽しみに待ちたい。