今大会から世界に羽ばたく選手が育ってほしいという思いから、今年度大会から世界アマチュアランキング上位者3名の出場資格が新設された日本ゴルフツアー選手権。出場資格を得たのは杉原大河、米澤蓮、中島啓太の3選手ですが、その中でも初日を終えて3アンダー6位タイとさっそく上位に顔を出してきた杉原選手に注目してみました。
杉原選手は現在東北福祉大三年生で数々のタイトルを手中にしてきた実績、実力のある選手。魅力はなんといっても飛距離の出るドライバーショットです。
本人も自分のプレースタイルを自覚していて、今大会でも難ホールの17番481ヤードパー4の攻め方を聞かれた際にも「しっかりと振り切る。その結果ラフに入ったとしてもしょうがない」と答えています。
実際17番ホールでは言葉通りの振り切ったショットでラフからキックしてフェアウェイ右サイドをとらえると、残り159ヤードをPWでバーディチャンスにつけます。惜しくもバーディを決められず18番ホールでボギーとスコアを落としますが、思い切りのいいプレーがとても印象的でした。
東北福祉大からは、松山英樹、金谷拓実とふたりのツアー優勝者を出しています。杉原選手のなかにも、彼ら先輩たちに続きたいという意識は必ずやあると思います。おそらく、狙っているのはベストアマではなく、優勝の二文字ではないでしょうか。
18番のセカンドショットでは、ラフから高い弾道で木を越えてグリーンを狙うショットを見せてくれたように、彼のプレーは見ていて面白さがあります。荒削りといえば荒削りですが、アマチュア時代のタイガーを見ているような気持ちにさせてくれますね。
ツアーでは、杉原選手より1学年下になる日本体育大学の中島啓太選手が幾度も優勝争いに顔を出していて、いつ勝ってもおかしくない状況にあります。女子ツアーに引き続き、男子ツアーも低年齢化が進み、彼ら大学生アマチュアがいつ優勝してもおかしくありません。それくらい、今のアマチュア選手のレベルは高いです。
とはいえ、上位陣にはプロが立ちはだかります。過去に優勝経験のある竹谷佳孝選手が6アンダー、1打差に矢野東選手とベテランが気を吐けば、2打差3位タイに木下稜介、香妻陣一朗両選手が続きます。もちろん、彼らはそう簡単にアマチュア優勝を許しはしないでしょう。
今大会のグリーンは13フィートとかなりスピードのある仕上がりになっていますが、明日は天候も雨風で荒れる予報です。その雨風でグリーンは止まりやすくなるもののラフは重くなり難易度は増すことでしょう。悪天候にどう対応していくのか、明日以降の杉原選手のプレーも楽しみです。