静かで力みのない切り返し
安田祐香選手は「日本女子アマ」(優勝)、「トヨタジュニアワールドカップ」(女子団体優勝、個人は優勝タイ)、「オーガスタナショナル女子アマ」(笹生優花選手と同じく3位タイ)など数々のタイトルを持つ実績はいうまでもありません。
ルーキーイヤーの昨年はケガなどの影響もあり目立った成績は出せていませんでしたが、2021年に入ると11試合中6試合でトップ25、そのうち2試合はトップ10と、安定感と上り調子を印象付けています。
9位タイでフィニッシュした先週の「ヨネックスレディス」のスタッツを見るとフェアフェイキープ率73%、パーオン率68%、パット数28.67と、ドライバーとパットの調子は良好、パーオン率もこれまでの数値よりは高かったので、全体的に調子は上がってきているようです。
今週開催されるサントリーレディスは地元・兵庫の六甲国際CCが舞台。コースのことはよく知っているそうですから、期待したいと思います。では、そのスウィングを見ていきましょう。
下半身を静かに使って切り返す
安田選手のスウィングの特徴はなんといっても力みのない切り返しです。「下半身から切り返す」は常套句になっていますが、安田選手の切り返しの場合、下半身の動きは静かで、腕やクラブがスッ……と下りてきてから積極的に使っていきます。
画像Aの左はトップ、右は切り返し後の画像ですが、下半身のリードが少なめであることが見て取れます。
切り返してクラブをスウィングプレーン上に乗せたあと、スウィングの軸をセンターに保ち(画像B左)、今度は下半身をしっかりと使いクラブを加速させて大きく振り抜いていきます(画像B右)。
グリップをややストロングに握ることでフェースの開閉を少なくし、フェースをターンさせるのはインパクト後のタイミングで行うところも安田選手のスウィングの特徴です。
先週の好成績の理由は「パットとアプローチに助けられた」とのことですが、そこに持ち味である切れ味の鋭いショットが復調すると優勝争いが見えてきます。引き続き体をケアしながらの連戦になるとは思いますが、今週のプレーに期待しましょう。