意外とカンタン!? 芸人・ジョニ男が小澤美奈瀬に教わった「58度」で自由自在に飛距離を打ち分ける方法

ジョニ男：58度のウェッジって難しいイメージがあって、バンカー以外ではあまり使わないんですよね。

小澤：そういった方って結構多いのですが、グリーン周りで58度のウェッジを使えると、プレーの幅も広がるので、上達を目指すなら扱えるようになっておきたいところです。まず、ジョニ男さんはご自分の58度のウェッジのフルショットの飛距離ってわかっていますか？

ジョニ男：大体60ヤードだと思っているんですけれど、正確な距離となるとわかりませんね。

小澤：じゃあ、実際に測ってみましょうか。

――実際に計測してみると、ジョニ男の58度ウェッジでのフルショットの飛距離は自身の見立て通り約60ヤードという結果に。

小澤：お、飛距離の感覚はバッチリですね。では、このフルショットの飛距離を基準に、フェースを開いて構えたり、閉じて構えることで飛距離を調節する方法を教えましょう。

ジョニ男：ウェッジってフェースの開き度合いでボールをコントロールしたりしますけど、とくに58度のウェッジってロフトが寝ているぶん、閉じると引っかかりそうだし、開くと右にすっぽ抜けそうでちょっと怖いですね……。

小澤：だからこそ、いきなりショートアプローチで挑戦するのではなく、まずは振りやすいフルショットでの飛距離の打ちわけから覚えて、フェースの開き度合いでショットを調節する打ち方を身に付けるのがオススメなんです。さっそくやってみましょう！

フェースを立てて飛距離を出す

小澤：ではまずフェースを立てて打つ方法から。ポイントはロフトを立てて構えたら、普通のフルショットではセンターかやや左足寄りにセットしていたボールを、少しだけ右足寄りにセットして打っていきましょう。

ジョニ男：わかりました。

――いつも通りのフルショットとフェースを立てたショットを連続して打つジョニ男。前者は62.1ヤードと先ほどと同程度の飛距離だったのに対し、フェースを立てたショットでは79.1ヤードと構えを変えたぶん飛距離増につながっていた。

ジョニ男：フェースを立てて打つと17ヤードも飛ぶようになるわけですか。58度のウェッジでフェースを立てて打つのって、どういう状況で使えるんでしょうか？

小澤：60ヤードよりもちょっと距離があってグリーンにビタっと止めたいときに、52度とかで軽く打つとスピンが掛からずランが出て奥にこぼれてしまいそう。そういうときに、58度を立てて今のように打つとスピンがかかって止まりますよね。

フェースを開いて打つ

――58度のウェッジでフェースを立てて60ヤード以上の距離を打つことを覚えたジョニ男は、さらにフェースを開いてのショットに挑戦。

ジョニ男：フェースを開いて打つショットと言えば、たとえばバンカー越えてから近くのピンを狙うショットのときとか、ボールをフワッと高く上げますよね。一緒にラウンドする機会の多い関根勤さんがやっているのを凄いなって思いながら見ているんですけどね。あれをやりたいと思っても、自分ではなかなか勇気がなくてなかなかできないんです。打つときに何か注意することはありますでしょうか。

小澤：開いて構えるとフェースが右を向き、そのまま打つと球が右に飛んでしまうからフェースの向きを変えないといけません。構えの手順を追って説明すると、

【1】普通のフルショットの構えをします。
【2】フェースを開きます。
【3】その状態からリーディングエッジをターゲットに向けてセットします。
【4】そうするとグリップエンドが右の腰骨あたりにきてしまうので、
【5】グリップエンドがおへそのほうを向くように体の位置を右に回り込むように修正します。
【6】するとスタンスはオープンスタンスになっています。

ジョニ男：わかりました。アマチュアゴルファー憧れのこのショット、やってみたかったんですよね。

小澤：じゃあさっそく練習してみましょうか。試しに58度のウェッジが70度くらいになるまで、かなり寝かせて打ってみましょう。

ジョニ男：うわ、凄い！ こんなにフェースを開いて大丈夫なんですか？

小澤：大丈夫です。ゆるませずに振り切るのがポイントですよ。

――ジョニ男が意を決して打つと飛距離は40ヤード。距離も調節しつつ、高さも出して真っすぐ飛ばすことに成功。

小澤：お～凄い！ ナイスショット！ 完璧です。

ジョニ男：あれ、打てましたね。フェースをあそこまで開いた経験がないので、打つ前はどうも気持ち悪いし、こんなに体が左を向いていて良いのかと不安だったんですが、『クラブはターゲット方向に向いているんだから』って思って思いきり振ったら、真っすぐに飛びましたね。

小澤：その思いきりの良さがこのショットを成功させるポイントになりますよね。素晴らしいです。

ジョニ男：あらら、これは嬉しい！　

小澤：このウェッジのロフト角を変えて打つ方法を覚えるとフルショット前後の距離だけじゃなくて、グリーン周りのいろんな状況にも対応できるようになるので、ぜひ身に付けておいてください。

ジョニ男：こういう小技ができるようになったら70台も夢じゃないかもしれないですね。もうすぐにでもコースで試したいです。先生、本当にありがとうございました。

撮影協力/天王州ゴルフ倶楽部 撮影/野村知也