日本時間の17日夜から幕を開ける全米オープン。ロリー・マキロイ、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・ローズの世界ランク1位経験者3人のペアリングに、フィル・ミケルソン、ザンダー・シャウフェレ、マックス・ホマの地元カリフォルニア出身者のペアリングなど、注目のペアリングが目白押し。
そんななか、マスターズ王者・松山英樹は前年度覇者のブライソン・デシャンボーと同組となった。その組のもう一人の同伴者が、タイラー・ストラファシだ。
聞き慣れない名前だが、彼は2020年の全米アマチュア王者。今大会には、全米アマチュアを制した選手が続く全米オープンにプロとして出場できる、というUSGA(全米ゴルフ協会)の新ルールを適用して出場している。
こう聞いて思い出すのは他ならぬ同組のブライソン・デシャンボーだ。彼は2015年に全米アマを制したことで2016年の全米オープンの出場資格を得ていたが、その後プロ転向したことで当時アマチュアであることが条件だったその資格を喪失。地区予選を勝ち上がって再度権利をつかみ、本戦出場に漕ぎ着けたことはニュースになった。ストラファシにとってデシャンボーは道を切り拓いた先人ということになるだろう。
ちなみにストラファシの祖父、フランク・ストラファシは全米アマチュア・パブリックゴルフ選手権を制した伝説的アマチュアゴルファーで、1954年の全米アマではアーノルド・パーマーと初戦で対戦して敗れ「ストラファシとの対戦がもっとも困難だった」と言わしめたというエピソードが伝わる人物。全米オープンとマスターズにもそれぞれ2回出場しており、全米オープンでは9位に入ったこともあるというからすごい。
1988年2月に亡くなった生前の祖父のことを1988年7月に生まれたストラファシは知らないが、父から祖父については何度も聞かされて育ったのだそうだ。ストラファシの父もUSGAの試合に複数回出場した経験を持つエリートゴルファーで、母も全米女子ジュニアに2度出場したというサラブレッド。今回の全米オープンは、プロとして家族の歴史を背負って出場することになる。
近年ではマシュー・ウルフ、コリン・モリカワ、ビクトル・ホブランらプロ転校直後から大活躍する選手が多いこともあり、5月にプロ転向したばかりのストラファシにも大いに期待。マスターズ王者、全米オープンのディフェンディング王者、そしてゴルフエリートの新星……「松山英樹の組」から目が離せそうにない。