ダスティン・ジョンソン(以下DJ)がアメリカのシャフトメーカー、LAゴルフの株主になったというニュースが舞い込んできた。すでにDJは、ドライバーとパターのシャフトを同社のモデルに切り替えている。これには2つの意味で驚きがあった。
まずひとつは、DJが長年、フジクラのシャフトを愛用していたことだ。
2010年代半ばは、PGAツアーでも「クロカゲ」や「ディアマナ」など三菱ケミカルのシャフトを使用する選手が多かった。その中で頑なにフジクラシャフトにこだわっていたのが、DJだった。愛用したスピーダーのハードモデル「スピーダーエボリューション TS」は、DJ専用モデルといっていいほど、マイナーチェンジしながら長きに渡って愛用していた。今年に入ってからも、「スピーダー」ロゴの入ったシャフトをつい先日まで愛用していたのだ。
最近は、同社の「ヴェンタス」がPGAツアーで使用率を高めており、DJもFWなどに「ヴェンタス」を愛用していた。その愛着ぶりから、そうそう変えそうには見えなかったが、なんでもLAゴルフのシャフトを数カ月に渡ってテストしていたのだという。
もうひとつの驚きは、LAゴルフと言えば、ブライソン・デシャンボーの印象が強いメーカーだからだ。昨年の大幅パワーアップの前後から、デシャンボーはとにかく強靭なシャフトを求めていて、使用シャフトが徐々に硬くなっていた。その中で選ばれたのが、LAゴルフのシャフトだ。現在、デシャンボーが愛用するシャフトは彼自身と共同開発したモデルで、強靭かつ高打ち出し低スピンを実現するという。
てっきりデシャンボーが今後も看板プロとして活躍するのだろうと思いきや、株主という一風変わったかたちでDJが関わることになった。もっともデシャンボーともこれまで通りの関係で、広告塔として登場予定だという。ちなみにデシャンボーはドライバーからパターまで、14本全てにLAゴルフのカーボンシャフトを装着している。
DJは、パターシャフトをLAゴルフしたと同時に、パター自体新モデルの「TPコレクション ハイドロブラスト」のツノ型に変更してしまった。数々の勝利を手にしてきた、黒い「スパイダー」は当面お休みするようだ。
LAゴルフのパターシャフトは、昨年松山英樹が愛用したことで日本でも話題になった。セルヒオ・ガルシアやリッキー・ファウラーなど、PGAツアーでも使用者を増やしており、今回新たにDJが経営に参画することで、さらにツアーでの存在感が増していくかもしれない。