女子の海外メジャー「KPMG全米女子プロゴルフ選手権(以下、全米女子プロ)」の会場は、かの“球聖”ボビー・ジョーンズのホームコースだったというジョージア州アトランタのアスレチッククラブ。6831ヤードパー72と距離が長く、戦略性の高いコースです。グリーンは芝目のあるバミューダ芝で画面で見てわかるほどの傾斜があり幾つかの面に分かれています。天候はくもり、気温24度でしたが風速4m/sの風は「読むのが難しかった」と笹生選手がいうように、難しいコンディションだったようです。
全米女子オープン以来の出場となった笹生優花選手は、4バーディ3ボギー1ダブルボギーと出入りの激しい内容で1オーバーでフィニッシュ。前半はショットに苦しみましたが後半には持ち直し、笹生選手らしい飛距離やピンそばにつけるシーンも見られました。フェアウェイキープ率71.4%、ドライビングディスタンス264ヤード、パーオン率72.2%、パット数32というスタッツでした。
全米女子オープン以降、メジャーチャンピオンとして忙しく過ごしていたことと思いますが、明日以降につながる終わり方をしていたので最終日に向けて調子を上げてくることでしょう。
畑岡奈紗選手は、前半を幸先よく3連続バーディでスタートしますがその後6ボギーとスコアを崩します。フェアウェイキープ率71.4%、ドライビングディスタンス254ヤード、パーオン率61.1%、パット数32というスタッツでした。
やはり風の読みが難しく距離感が合わないことでミスになってしまったようですが、ショット自体はそこまで悪い印象はありません。全米女子オープン最終日に見せてくれた追い上げに期待します。
渋野日向子選手は1バーディ4ボギーで左ピンに対してセカンドショットが左に曲がり難しいサイドに外してボギーを打ち、バーディチャンスもわずかにラインがずれて決められなかった、という内容でした。フェアウェイキープ率57.1%、ドライビングディスタンス243ヤード、パーオン率66.6%、パット数33というスタッツでした。
終了後の囲み会見では、何ホールか手が震えるくらい緊張したと話しました。
「全米女子オープンのときよりも緊張していました。3ヶ月の遠征の最後というのもあるしメジャー、予選通りたいという気持ち落ちもあったと思います。ティーショットで力んだりスウィングが速くなったりしました」(渋野日向子)
見ていて気になったポイントがいくつかありましたのでご紹介します。ひとつはギアの変更です。5Wを抜いて7Wに変え、2本入れていた6番アイアンのうち飛距離の出るほうを6UTに変更していました。飛距離の階段とスピン量や弾道の高さを考えての変更だと想像できます。
もうひとつはスウィングの変化です。ハンドダウンのアドレスがやや高くなりました。それと今まではトップの位置を意識するルーティンでしたがインパクトゾーンを意識するルーティンに変わっていました。
そしてフォロー側でアウトサイドに振り抜いていたクラブがややインサイド側に振り抜くように変わっていることも感じました。練習ラウンドでは届かなかったバンカーまで飛んでしまったとも話していましたので、地面の乾きのせいもありますが気持ちよく振れると飛距離も出せていたいう印象です。
渡米前の3月には、フォロー側をもう少しインサイドに振り抜きたいがまずはテークバック側の意識を重点的にしている、と話していましたので目指す方向性に向けて次のステップへと移行してきている印象です。
上原彩子選手は、ノーバーディ4ボギーの4オーバーで渋野選手と同じ93位タイで終えています。パッティングに苦労していた印象なので、やはりバミューダ芝の読みは難しいと感じましたね。
4選手みんなオーバーパーだった日本勢。明日以降の巻き返しを期待しましょう!