「ベタ足」はアマチュアも意識したほうがいい?
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。「ベタ足」という言葉があります。数年前に韓国人選手が日本女子ツアーを席巻したときにはかなり注目されました。でも最近はあまり「ベタ足」というのを聞かなくなったような……と思っていたのですが、畑岡奈紗プロもインパクトまでは右足を浮かせないイメージで打っているのだとか。やっぱりベタ足って僕たちアマチュアも意識したほうがいいんでしょうか?
週刊ゴルフダイジェスト6/29号に"ピンを狙うショットは「ベタ足」がいい"という記事がありました。なんでも「ベタ足」で打つことでインパクトが安定して方向性がアップするのだとか。どうやったら正しく「ベタ足」ができるのか、試してみることにしました。
ベタ足で打つことによる効果としては、体重が左にズレることがなくなりボールを押し込めるようになるということ。また重心の上下動も抑えられるので、正確なインパクトにもつながります。
そんなに良いことがあるのなら、ぜひともベタ足で打ってみようと思うわけですが、ただインパクトのときに右足裏をベタッと地面に着けておけばいいのでしょうか? 実はそれではダメだと横田英治プロは言っています。「足を使わないベタ足はダメ」ということなのですが、ベタ足なのに足を使うってどういうことでしょうか?
アマチュアがベタ足で打とうと思うと足裏をベタッと接触させたまま動かさないようにしてしまうのですが、これは「静的ベタ足」という間違った動き。プロのやる本物のベタ足は「動的ベタ足」というもので、積極的に足は使いながら粘れて、踏ん張れるベタ足なんだそうです。間違った「静的ベタ足」と正しい「動的ベタ足」はどうやって見分ければいいのでしょうか。
「静的ベタ足」は足全体が地面についたまま振ることになるので、体が回転しません。そしてインパクト後には右かかとが外回転して浮いていくので、右膝が前に出て、フィニッシュではガニ股になってしまいます。「静的ベタ足」は下半身が動かないので手打ちになりやすく、クラブもアウトサイドインから入りやすくなるためにスライス連発ってことになりやすい。
「動的ベタ足」は足裏が内側に粘りながら回転していくことで、右膝が内側に絞られ、右太ももが左太ももにくっつくようなフィニッシュになります。この動きでボールを前に飛ばすエネルギー効率が高くなり、方向性も良くなるのです。
横田プロによると、正しいベタ足ができるようになることで4つの驚くべき効果があるのだとか。
【1】体が左に突っ込まなくなる。
【2】クラブがインサイドから下りてくる。
【3】クラブがインサイドから下りるようになることで、ヘッドの入射角が緩やかになる。
これらの3つの効果が組み合わさることで
【4】インパクトが安定して厚い当たりになり、方向性がアップする。
いや~本当にいいことばっかじゃないですか! これはやらない理由はないですよね。
動的ベタ足をマスターするための「クラブクロス置きショット」というドリルが紹介されていたので、やってみることにしました。左足かかとから右足つま先にむけて斜めにクラブを置き、そのままボールを打ちます。右膝が外回転するする動きになってしまうと、置いたクラブに足が当たってしまいクラブが動きます。右足が粘って内回転すれば地面のクラブは動きません。
やっぱ僕は右足が粘れていないようで、最初はクラブが動いてしまいました。かなり右足の粘りを意識して打つようにすると、なんとかクラブを動かさずに打てるようになりました。こんなに下半身って粘らないとダメなんですね。
だんだんなれてくると、フィニッシュもきれいに納まるようになってきました。たしかに右足が内側に回るようになると、クラブが外から下りてこなくなりますね。ショットの安定感という面では何ラウンドかしてみないとわかりませんが、押し込めている感は少し出てきたような気がします。軌道は安定してきている気もするので、方向性が良くなっているような感じはしました。
動的ベタ足をマスターするためには、両手をクロスさせて胸の前にセットし、下半身、とくに右足裏かかとの動きを意識しながらスウィングをする練習も良いようです。また右手がシャフトにかかるくらいクラブを短く持ってアドレスし(ヘッドは地面に置かず、空中でOK)、その状態から地面のボールを打つ練習も効果があるそうです。地面のボールを打つにはベタ足のまま沈み込まないと打てないですからね。
マスターすればいいことずくめの「ベタ足」ですが、股関節や足首の柔軟性が必要で、無理にやりすぎるとケガのリスクがあります。僕も動的ベタ足をやっているつもりでも、写真で確認すると柔軟性不足のために少しかかと側が浮いてしまっていました。これはある程度仕方がないのかな~と。やはり普段からストレッチなどをして柔軟性を高めることも必要ですね。動的ベタ足をマスターするドリルと同時に、しっかりとストレッチして、少しずつでも正しいベタ足ができるようにやってみます!