世界に通じるショット力と体格
こんにちはケンジロウです。
カリフォルニアのアーバインよりお届けしております。
今回の話題はオリンピック代表内定の星野陸也です。全米オープンでの活躍はみなさん記憶に新しいと思います。
星野は5月の全米プロゴルフ選手権からずっとアメリカに残り、カリフォルニアで練習を重ねて、全米オープン予選会をアメリカで受けました。そして36ホールを戦い切り、見事突破。メジャーの切符をつかみました。そして迎えた全米オープンでは大暴れ。予選を突破し、決勝ラウンドでは途中3アンダーまでスコアを伸ばし、3位まで上り詰めました。
全米オープンの星野のプレーを見ていると、とにかくショットが曲がらない。ドライバーもほとんどフェアアウェイを外さず、そして何より2打目が上手い。全米オープンのときのスタッツには驚かされました。ストロークゲインド・アプローチ・ザ・グリーンが4日間を通じて全体の2位でしたからね。
つまりグリーンを狙うショットがうまいということ。トーリパインズはグリーンが小さい上に2段グリーンが多く、さらにピン位置が左右に振ってあったので、本当に高い精度のアイアンショットが求められていました。また距離も長いので、アイアンも長い番手を持たされる。その中でのこのスタッツはまさに世界に通用するレベルのショット力を見せたのではないでしょうか。
また186センチと身長が高いので、欧米の選手と比べても体格でも見劣りしません。むしろ星野のほうが大きいぐらい。
「こっち来てびっくりしましたが、意外とみんな僕より小さいんですね」(星野)
さて、その全米オープンが終わって、正式に代表の内定が出た星野陸也。全米オープンの翌週、会う機会があったので、オリンピックに関していくつか質問してみました。
「松山さんと一緒に選ばれて光栄です」
――オリンピック出場が決まって、率直な気持ちは?
「まずは出場できることに対して、大変光栄に思います。オリンピックが延期になって、今年の開催になったことで、今年はツアーで2回勝てばチャンスあると思っていたんです。実際に関西オープンで勝って、世界ランキングがググっと上がって、そのあと(アジアパシフィック)ダイヤモンドカップで優勝して『2勝』という目標を達成できたのが良かったです。全米プロも全米オープンにも出られて世界ランキングも上げられたのでほんと良かった。
――今年の開幕戦、東建ホームメイトカップでは予選落ち。でもそこからは、まさに快進撃でした。
「東建は久しぶりの試合で、試合勘がなくてうまくいかなかったんです。でも今年は、調子が悪くなったときのリセットできる練習方法をつかんでいたので、それを翌週の関西オープンが始まる前にやりました。うまくリセットできて、その週に優勝することができたんです」
――オリンピックの開催コース・霞が関CCは回ったことがありますか?
「ジュニア時代には東も西も両方回ったことがあります。去年実は、改造後の“カスミ”を一度回っていたんですよ。オリンピックのコースだし、一度回ってみたいなと思って。ジュニア時代は2グリーンだったので、久しぶりに回ったカスミはガラッと変わったなという印象でした。グリーンは大きくなりましたが、傾斜がけっこうあるのでピン位置を難しく設定できるなと思いました。距離も伸びているので、2打目が難しくなるし、ミドルアイアン前後のクラブの精度がより求められると思います。ティショットをフェアウェイにおかないとチャンスにつきにくそうでした。9番ホールが500ヤード以上ある長いパー4だったんですが、アゲンストだとティショットがドライバー、2打目がスプーンでしたよ」
―――緒に代表に選ばれた松山英樹については?
「松山さんはやっぱりメジャーチャンプですし、一緒に選ばれてすごく光栄です。同じスリクソン(と用具契約)というのも嬉しいですよね。全米オープンでも自分から練習ラウンドを申し込んで、一緒に回ってもらって、ラフの打ち方とかを教えてもらいました」
――オリンピックの目標は?
「メダル目指して頑張りたいです。去年より自分の状態が良くなっているし、トーリパインズでも上位に進出できていい結果が出せているので、自信がつきました。オリンピックが楽しみです」
インタビュー前には、「目の前にはまだ初出場の全英オープンがあってまだなかなかオリンピックのことを考えられない」と話していた星野ですが、最後には「メダルを目指す」という力強い言葉をいただきました。
「もしメダルをとったら、歯の矯正をしながらメダルを噛む選手って初めてじゃないですかね?」と言ってあどけない笑顔をみせた星野陸也。その様子は、これからやってくる大きな大会に向けてワクワクしているような印象でした。オリンピックでも大暴れを期待したいですね。
撮影/Blue Sky Photos