HS37m/s以下に特化! 40グラムの軽量ボール「コルテオライト39プラス」
まず堀口が打ったのはムジークの「コルテオライト39プラス」。ヘッドスピード37m/s以下のゴルファーの飛距離アップのために開発されたボールとなっていて、特徴的なのは重量の軽さだ。
前モデルである「コルテオライト39」はその名の通り39グラムだったが、最新モデルのコルテオライト39プラスについてはコアとカバーに改良したことで40グラム。それでも一般的なゴルフボールの重量が約45グラム台であるのを鑑みれば、コルテオライト39プラスはかなり軽量仕様のボールと言って良いだろう。
一般的にボールはある程度重量のあるほうが飛ぶとされていて、現にボールの重量規制も「45.93グラム以下」と、下限については設定されていない。が、コルテオライト39プラスがあえて軽量設計となっているのは、重いボールのほうが飛ぶのはあくまでヘッドスピードがある程度出せるゴルファーに限った話だからという理屈。そのため、数あるディスタンス系ボールのなかでもコルテオライト39プラスはヘッドスピード37m/s以下のゴルファー専用仕様になっているというわけだ。
ではその性能はいかほどか。さっそく堀口の試打結果を見てみよう。なお、ドライバーはキャロウェイ「エピックマックス」の10.5度モデルを使用。ボールの特性に合わせ、堀口にはヘッドスピードを35m/s前後に調整して打ってもらっている。
【堀口のコルテオライト39プラスの試打結果】
HS34.9m/s キャリー174Y トータル200Y 打ち出し角13度 ボール初速51.9m/s スピン量1552.7回転
「まず打って感じたのは、ディスタンス系ボールらしい、高反発ならではの硬さがあるのかと思いきや、打感が意外と柔らかいなということ。一般的なボールであればヘッドスピード35m/s程度で打った場合、トータル飛距離はおおよそ190ヤード前後。それだけに安定して200ヤードを打てるのは正直驚きました。スピン量がかなり抑えられていて、ランが出るのも大きそうですね」(堀口)
また、40グラムと軽量のボールではあるが「打ったときの違和感は全然なかったです」という。
「手に持ってみるとやはり軽く感じるのですが、実際に打ってみると軽量ゆえの頼りなさみたいな部分は感じませんでした。対象ヘッドスピードである37m/s以下のスピード感で振れば、きちんと違和感のないような仕上がりになっていますね」
性能の確認のため、試打計測後にあえて堀口の普段のヘッドスピードである46m/s程度の振り感で打ってもらうと「当たった感触が軽く、どうしても頼りなさは出てしまいますね」と堀口。ヘッドスピードである37m/s以下のゴルファーを対象に、性能を特化させたディスタンス系ボールと言って良さそうだ。
規制を超えたコアを採用しカバーでルール限界に抑えた「キャスコエース」
続いて打ったのはキャスコの「キャスコエース」。こちらは2コア1カバーの3ピース構造のボールで、ボール初速を限界まで高めた仕様。ボール規制の規定値を超えてしまうほどの高反発・高初速性能を持つコアを採用し、カバーの硬度をソフトにすることで、性能をルールの範囲内に抑えつつ打感の良さも実現しているという。
ではこちらも堀口の試打結果を参照してみよう。コルテオライト39プラスと同様、ドライバーはキャロウェイ「エピックマックス」の10.5度モデルを使用。推奨ヘッドスピードが36m/s~48m/sに設定されているため、堀口にはヘッドスピードを36m/s前後に調整して打ってもらった。
【堀口のキャスコエースの試打結果】
HS36.1m/s キャリー183.3Y トータル206Y 打ち出し角12.6度 ボール初速m/s スピン量1869.3回転
「高さも出るしスピンもちょうど良いし、めちゃくちゃ良い球です。ディスタンス系ということですが、キャスコエースに関しても打感の硬さは感じず、むしろ柔らかめという印象でした。ヘッドスピードが上がればボール初速もそのぶんきちんと上がってくれます」
キャスコエースについては推奨ヘッドスピードの幅も36~48m/sと広め。コルテオライト39プラスと同様に、試打計測後改めてヘッドスピード46m/sで打ってもらったところ「スピン量は若干増えましたが、まったく問題なく打てますね。幅広い層のゴルファーが使えるボールだと思います」と評価した。
2モデルとも打ち終わった堀口は「どちらのモデルも、ディスタンス系ボールの名にふさわしい飛距離性能を持っていました」と総括。
「とくに印象的だったのが、2モデルとも打感が柔らかかったこと。ディスタンス系ボール特有の硬さがなかったですね。コルテオライト39プラスについてはメーカーの設定通りヘッドスピード37m/s以下のゴルファーにオススメ。キャスコエースに関しては今よりドライバーを飛ばしたい、という方なら幅広い層にオススメできますね」
ただし「2モデルともドライバーの飛ばしに特化しているぶん、アプローチの際のスピン量も比較的少なめになってしまう点には注意です」と堀口。今よりもっと遠くに飛ばしたい、というゴルファーは一度試してみては?